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2011/02/25

大江山連峰鍋塚からの滑降コース

 1994年暮れにアルペン山スキーを入手してから17回目の冬。1996年、2000年、2006年に続く雪に恵まれたビッグシーズンとなった。1996年は、スキー登山が冬場の活動として定着し、1月下旬から2月中旬にかけて大江山連峰に通った。2000年は、春から初夏にかけて、氷ノ山、扇ノ山、大山と中国山地へと進出した。2006年には、テレマークスキーによる登山を本格化し丹後の碇高原や但馬の神鍋高原のスキー場跡、そして奥越、信越地域への遠征など飛躍的に活動日数が増した。
 そして、2011年年明けから既にスキー登山可能な積雪。地元の大江山連峰に15年ぶりに通うこととなった。連峰の主だった4座の内、特にスキーに適した鳩ヶ峰または鍋塚はほぼ毎年滑っている。唯一とぎれたのが、寡雪の1998年だ。今年は、1996年以来、鍋塚、鳩ヶ峰、千丈ヶ嶽、赤石ヶ岳のすべてに登頂。まだ自然の雪を滑ることに慣れていなかった15年前と違って、十分に滑りを楽しんだ。
 長く大江山に通っているが、たどっているのは誰でも知っている一般コースばかり。唯一の例外、鳩ヶ峰の東斜面から東尾根に滑り込むルートは、積雪期ならではのものだが、他人の記録をまねたものであり自分で開拓したわけではない。自分で新たなコースを開拓したい。常々そう思っていた。

京都府福知山市大江町仏生寺千丈ヶ原[442]11:58 - 13:42[624] - 14:38鳩ヶ峰[749]14:45 - 15:06鞍部[644] - 16:01鍋塚[761]16:15 - 16:28鍋塚東尾根途中[686]16:44 - 16:57鍋塚17:03 - 17:14標高711P - 17:50千丈ヶ原
9.2km テレマークスキー

 2月22日、午後の空きを利用。誰もいない千丈ヶ原にクルマを止める。除雪が300m程先へ進んでいるので、そこまでクルマを入れ道路脇の雪をよけて駐車。シールを貼って歩き出す。春のような陽気。暖かいので上半身はアウターを着ていない。これで、1月8日以来、今シーズン6度目の大江山連峰入山だ。その冬一番の寒波が通り過ぎた直後数日しかチャンスがない年も多い中、1月半を越える大江山にしては長いスキーシーズンだった。
 鳩ヶ峰はまだ真っ白だ。ラッセルはなく、それでも高温と日差しで表面が緩んだ雪。鍋塚林道を歩く足取りは順調だ。土日のものと思われる、スノーシューやスキーのトレースが賑やか。一部水の流れによって路面が露出しているが、雪は繋がっておりスキーのまま歩ける。左手の鳩ヶ峰東尾根には、先週私が付けたスキーのシュプールが残っている。
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 日曜の若狭三十三間山で外れかけた右のビンディングだが、インサートホール化での復活は問題ないようだ。
 さて、いつものショートカット区間を越えて、ヘアピンカーブあと二つで避難小屋のある縦走路鞍部というところで枝道の林道にはいる。先週落としたサングラスの捜索に向かうのだ。林道は標高600mの等高線に沿って鳩ヶ峰の山腹を横断している。おそらく鳩ヶ峰の東斜面から東尾根にかかるところの植林で転倒したときに落としたのではないかと推測する。あれ以降新たな降雪はないので意外に簡単に見つかるのではないかと軽く考えている。左手に見える鳩ヶ峰東尾根が近づく。右上にはおいしそうな斜面が見られる。ただし、アプローチが問題だ。林道は一ヶ所雪が切れていた。
 東尾根の付け根に到着。尾根と反対側の鳩ヶ峰の斜面にとりつく。一週間前に自分が付けたトレースがまだ残っている。一般の登山コースではないから、他にここを通る人はほとんどいない。しかし、サングラスは見つからない。転倒した跡の周辺をよく探しても見つからない。自分のシュプールをたどってどんどん登る。植林が切れて、非常にまばらに松がはえている斜面へ登った。この上では転倒していない。下に戻るか。ならばシールをはずした方がいいか。でもまたその後に登りがある。面倒になって、サングラスのことがどうでも良くなってきた。そのまま縦走路へ向けてトラバース。縦走路に出会うと、そこは鳩ヶ峰の頂上までわずか。なら登頂してしまえ。麓の野田川流域の平野はこの一週間ですっかり雪が解けて、茶色い田んぼが丸見え。
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 鳩ヶ峰の山頂でシールをはずして滑走。雪はやや悪いが、広い緩斜面は快適。
 避難小屋のある鞍部を経て、再び鍋塚へ向けてシール登行。標高711mピークを越えると、鍋塚の姿が見える。こちらも一週間で地肌が露出。
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 鍋塚の頂上でシールをはずす。さあ、ここからが本題。今まで滑ったことも記録を見たこともないコースへ滑り込もう。地図によって目を付けていたのは、鍋塚山頂から東にのびる尾根。尾根の先の伐採斜面の真っ白な雪面を滑って、大江山の家の裏手に降りる予定だ。伐採斜面は南向きのため、今日を逃すともう滑れなくなりそうだ。クルマを止めた千丈ヶ原よりもずいぶん下に降りてしまうため、自転車を配置してきている。
 鍋塚から東尾根は緩やかで広々とた松と落葉樹の疎林である。いつも斜度のある南斜面を登って滑っているため、こんな空間があったことに驚きである。残念なのは、こちらにもうっすらとスキーのシュプールが残っていて、私が初めて足を踏み入れるというわけではないことだ。日が傾きややクラストしているが、広いのでターンは十分快適。
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 しかしその快適空間もつかの間。尾根が細くなり、木々の密度が増してきた。やや滑りにくくなったが、まだいける。しかしその先で急激に勾配が増す。しかも、細い落葉樹が濃く茂っている。その向こうに伐採斜面が白く見えて、さほどの距離はない。全く下れないということはないだろうが、楽しくはない。撤退を決める。
 再びシールを貼って鍋塚へ戻る。標高差は80mほどだ。
 鍋塚南斜面を雪の残っているところを選んで滑る。そして滑降コース第2案。711Pの南東尾根だ。ただこちらは一般登山コースであるため、カンジキの踏み跡がある。いつも縦走ばかりしていたので、こちらのコースにはほとんど目を向けていなかったが、ずいぶん緩やかで歩きやすそうな尾根だ。スキーでターンをするに十分な幅もある。登山コースは時折ジグザグで高度を下げさらに尾根を行く。途中で踏み跡が分岐し、一つはそのまま尾根を行き、もう一つは鍋塚林道の方へとのびている。できるだけ林道を使わずに下山したいので、尾根を行く方を選択。
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 そのまま尾根を行くと勾配もなくなりほとんど歩きの区間となり、最後は急な下りで千丈ヶ原よりも下に降りてしまう。どこかで尾根をはずして千丈ヶ原へ下ってみようというのが、私のもくろみだ。
 分岐から少し行くと、右手が緩い谷状の斜面となった。間伐されてまばらな植林。いかにも滑りやすそう。しかも、位置関係も千丈ヶ原に降りるのにちょうど良さそうだ。迷わずドロップ。
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 ザラメが程良く緩んだ雪は、柔らかくとても快適。すばらしい。しかもノートラック。そして、標高差で50mあまり下ったところで、千丈ヶ原から鍋塚林道途中に出る登山道に出会う。予想通りしっかりとした踏み跡が付いて迷うことはない。まんまともくろみ通りだ。後はこれに沿って下れば、千丈ヶ原にドンピシャだ。
 しかし、ここからが意外と苦戦。雪の切れ目があるがそれくらいはいい。この登山道は植林地帯に付けられている。作業がしやすいように斜面には段差が刻まれたり、はらわれた枝が積み上げられたりしている。それらの上に積もった雪はすっかり薄くなり、無数の落とし穴と化している。今日は一度も転倒せずにそこまで来ていたのに、何度も落とし穴に落ちて転ぶ。下手をすると腰まで埋まってしまう。
 さらに動物をよけるネットが幾重にも立ちふさがる。落とし穴が密集している登山道の周辺を避け、ネットの切れ目を狙って下の斜面に滑り降りてみる。除雪された車道が見えてきた。さらに自分のクルマのルーフが真下に見える。ピンポイントで降りてきた。最後まで落とし穴に落ちながらも、車道に降り立つ。見事に、林道・車道をいっさい使わずに下山することができた。上部と下部の一般登山道を滑りやすい斜面でつないだところがオリジナルだ(普通ならば林道を挟む)。まあ、今までにここを歩いた人はいるだろうが、少なくとも今日その区間に踏み跡はなく、自分で開拓した。
 クルマにスキーを撤収して千丈ヶ原を降り、自転車も回収して帰路に就く。今シーズン、大江山シリーズの掉尾を飾る滑降が完了した。

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コメント

レポートが細かく 昔の写真と比べたりや記録の研究してますね

記録や写真を残していない自分とは正反対で感心します

三十三間山もいいですね
麓に知り合いの山小屋があります けどなかなか足がむかないです。 白山も晴れると氷ノ山から見えるのでしょうか?
土日は勝山から白山がとても綺麗でしたよ

投稿: ゆう | 2011/03/01 00:42

 発表の場があるとこうした文章を書くことができます。'96年頃はまだインターネットよりも、パソコン通信が主流でした。写真が載せられないので、長文を書くのが当たり前でした。山スキーメーリングリストの山域分類(http://www.coara.or.jp/~suyama/yamaski/class.html
に、丹後半島という項目があるのは、私が大江山や碇高原や半島内部の山々の記録を発表していたからです。この分類表や記録の索引を作成した大門さんとも何度かやりとりしたことがあります。
 標高が際だって高い加賀白山は、西側には障害になるような山がないため、氷ノ山から見えます。私はまだ見たことがありませんが。加賀白山と伯耆大山を結ぶ300kmの直線のちょうど中間点が丹後半島です。いつかこの二つの名山を、丹後半島から同時に眺めてみたいと思っていますが、大山は手前の山の稜線にわずかに顔を出す程度なので難しいのです。

投稿: はいかい | 2011/03/01 18:18

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