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2011/02/24

展望スカイライン三十三間山

 この山のことは2006年から気になっていた。その年は雪に恵まれた年だったが、シーズン末期、標高1000mに満たない低山では時既に遅し。その夏には、下見がてらMTBで稜線を縦走してみた。なだらかな稜線には腰ほどの高さの笹が茂り、立木はほとんどない。冬は雪原だろう。
 次の冬は記録的な寡雪。その後も、雪が少ない冬が続き、あっという間に春が訪れる。地元の山なら少ないチャンスをものにすることもできるが、アプローチ100kmの山では様子は分からず、一か八かで行くにも遠い。
 待つこと5年。ビッグシーズンがやってきた。30年ぶりの大雪。低山にも雪はたっぷり。というわけで、計画を実行。

福井県若狭町新道8:20 - 10:10林道終点(植林尾根取付)[438] - 10:41稜線入口[557] - 11:09轆轤(ろくろ)山[659] - 12:17三十三間山[842]12:52 - 13:38稜線入口 - 13:52林道終点(植林尾根取付) - 14:32新道
15.4km テレマークスキー

 小浜ですうさんと合流。家を5時45分に出たら、約束の7時半に5分遅れた。鯖街道熊川宿の隣の集落、若狭町(旧上中町)新道へ。集落奥の神社を越え、林道入り口にクルマを停める。雪はしっかり締まっている。
 8時20分、歩行開始。夏場なら旧三方町の倉見からの登山道が一般的だが、稜線の縦走をする場合には轆轤山の南西の標高369m鞍部へ、北の倉見峠あるいは南の新道からいずれも林道を詰めてたどり着くのがよい。今回は、いつやらの岳人の記事では新道に下山していたので、こちらを選択。
 最初は杉林。雪の上に枯れた細かい枝が落ちて一面茶色。林道に沿ってもう一本立派な道路が併走し、高架となって林道をまたいで砕石場の方へ伸びている。その高架下で雪が切れていた。林道脇の沢は雪解け水が音を立てて流れている。
 いくつかのヘアピンカーブをショートカットしてみる。本当にショートカットが有効なのか、2人で別れてみるが、林道を歩いた方がやや速いようだ。林道は板が走るだけの勾配があるので、下りでは、立木の密度によっては林道を使った方が楽だろう。
 平坦な場所に疎らに木が生えた湿原のような所に行き当たったら、林道は右手の山腹にはい上がる。そして、標高369m鞍部の東側の稜線で途切れた。2時間近い長い林道歩きが終わった。
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 そのまま杉の植林の尾根に取り付く。心配していた藪などはなく、しかもまだ十分な積雪。尾根はやや急登だが、その手前の数本の尾根と比べれば緩やかだし、尾根の幅が広く、杉の木の密度もやや疎らなのでジグザグに登りやすい。
 しかしここでトラブル発生。右のビンディングがぐらついている。ビンディングプレートを板に固定しているビスが緩んでいる。ドライバーを出して締め直す。1本は完全に効いていなくて4本のうち3本は締めると手応えはあった。だめになっている1本には木の枝を詰めて締めなおし、応急処置。いずれにせよ、4本ともだめになるのは時間の問題。とりあえず今日一日持ってくれることを祈る。
 標高差100m余り登って右手からの尾根をあわせた先で勾配が緩くなり、植林から雑木林、そして雪原へと飛び出した。
 真っ白なオープンバーン。標高635mピークが正面にドーンと立ちはだかる。雪が解けて茶色い山肌が露出しているが、その次の轆轤山など白いドーム状のピークが次々と続いている。進んでいけば旧三方町の平野部、小浜線や国道27号線が走る田園地帯を左手に見下ろす。まだ田んぼは白い。奥は三方五湖と梅丈岳。さらに左(西)には久須夜ヶ岳と小浜湾。その向こうには青葉山や丹後半島も見えるはずなのだが、曇天で遠くは霞んでわからない。右手には三重岳と武奈ヶ岳が大きい。
 曇天ではあるが、時折薄日が射し、そして無風。雪のことなどトータルで考えると晴天よりよい条件かも知れない。
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 新道からずっと前日のものと思われるカンジキやスキーのトレースが続いているが、ここに来て往復したものと思われるスキーのトレースがやけにはっきりしている。まさか我々よりも先にきて下りた今日のものと言うことはないだろうな、と話しながら歩く。
 雪稜というには広く、雪原というには狭いその彼方に見えていた山頂も近づいてきた。倉見からの夏道が合わさるとトレースはより賑やかになる。山頂手前ですれ違ったカンジキの男性から加賀白山が見えると聞いて俄然テンションが上がる。
 山頂にたどり着くと前方に白く大きな加賀白山。手前の野坂岳を挟んで左にも白い峰が連なる。後で確認すると大日岳や浄法寺山のようだ。
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 しばし休憩。写真撮影の後、行動食を摂る。風はほとんどないが、寒くなって出発。スキー登山にはお待ちかねの時間だ。いざ滑り出そうという瞬間、スノーシューの単独男性が登ってきた。地元三方の人で倉見から登ってきたそうだ。
 山頂直下からは琵琶湖を確認。雪はザラメで、スキー場ゲレンデのようになめらかで滑りやすい。ターンを重ねると視界の中で絶景が踊る。しばらく滑ったらスノーシューの男女4人連れが登ってきた。我々のテレマークスキーに興味があるようで、滑り方やシール、そしてお値段はいかほどか、など質問された。
 さらに下って新道からの夏道が稜線と合流する辺りで、8人のスキーのパーティが休憩中。年輩の男性ばかりで、ほとんどがアルペン山スキーだがテレマークスキーも見られた。夏道を登って、下りは縦走するそうだ。シールを外して「今日はここまで」とのこと。山頂から加賀白山が見えることを伝えても「もう雲って見えないだろう」という返事。再びシールを貼る程ではないということなんだろう。それにしても、山頂まで後わずか、しかも一番おいしい斜面を目の前にしてストップというのはもったいない気もするが、メンバーの体力を考えてのことだと思われる。
 その後はアップダウン。下りではお互いの滑りを動画撮影しながらのんびり行く。それでも下り基調は早くて、大展望の稜線に別れを告げる。その後尾根を間違えないように植林地帯へ突入。間伐のおかげで何とか滑ることができる木々の密度だが、下部に行くとザラメがザクザクに緩んで滑りにくい。加えて、伐採した木の枝が積んでいるところでは雪の下が空洞になっていて、落とし穴と化している。悲鳴ともうめき声ともとれない声を何度も上げながら苦労して林道へ。
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 林道に来れば安心かと思ったら、朝の雪はすっかり緩んでくされ雪。苦労して新道へ戻った。ビンディングは何とか大丈夫だった。
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 熊川宿の道の駅でおみやげを買う。若狭と近江の境界付近に位置するためオバマ大統領や浅井三姉妹などをキャラクターとした土産物が並んでいた。帰路はすうさんのアドバイスにしたがって、小浜西から舞鶴西まで舞鶴若狭自動車道を利用する。国道27号線の信号の数と夕方の舞鶴の混雑を考えるとずいぶん時間短縮にはなったんだろうが、自動車道も対面通行で70kmの制限速度。飛ばし屋ではない私の背後のクルマが車間距離を詰めてくるばかり。
 家に帰ったら、即座に爆弾を抱えた状態のビンディングを外し、板の穴を少し大きくして鬼目ナットを埋め込む。これでインサートホール化完了だ。
 また、後日「岳人」誌2007年1月号に三十三間山のスキー登山の記事を発見。倉見の夏道を登って新道に下りている。ただし、我々の下山コースと若干違って、369鞍部林道終点ではなく、轆轤山から南に続く稜線をいき、古い道を使って林道途中に降り立つというもの。板を外しての藪こぎや渡渉などがあるようだ。369鞍部付近に下りるならば新道からではなく、倉見峠の林道の方が林道が短くて良かったかも知れない。ちなみに、新道から山頂までは7.7km。倉見峠からは6km余り。

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コメント

 ありがとうございました。この山は、ボクの方も以前から目をつけていながら行けていないのでした。やはり、山スキー向きの山でしたね。植林の中でも、スキー操作ができるくらいの疎林であったことでヤブのイメージが全くありませんでした。人も多かったですね。
 今シーズンは、近場の山が体験できてとても嬉しいです。また、お願いします。

投稿: すう | 2011/02/27 09:16

 懸案がまた一つ解決しました。2007年の「岳人」誌には、降雪の直後を狙わないと厳しいということが書かれていました。
 もし次があるならば、倉見峠からの林道経由が良さそうです。
 ところで、再び福井県嶺南エリアの山を訪れたので、1週間後の三十三間山の稜線を、車窓から見上げてました。轆轤山付近は、地肌が見える部分が広がっているようですが、まだスキーは可能のようです。寒の戻りもありますから、この冬のスキー可能な期間の長さは特別なんでしょうね。

投稿: はいかい | 2011/02/27 20:01

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