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2010/03/23

仏ノ尾は山頂直下で撤退

 21日は、前夜からの強風が吹き荒れさらに日中は黄砂の雨が降る大荒れの天気。日付が変わってから気温は右下がりの下降線で夕方にはみぞれが降った。
 22日朝、前日が嘘のような快晴。天気の変化が早い。今日は寄り道の必要はないが、9時半の遅い出発。神鍋高原のスキー場群は、またうっすらと雪化粧。蘇武トンネルを抜け兵庫県美方郡香美町へ。おじろ区(旧美方町)に入れば、目標の仏ノ尾が見える。矢田川左岸の急坂を駆け上がり佐坊へ。大きな谷を隔てた向こう側には鉢伏山。まだかろうじて営業しているハチ北高原スキー場は白く輝いている。その下のミカタスノーパークもうっすらと白い。
 集落の奥から佐坊林道にはいる。標高580m付近に厚さ20cm、長さ10mほどの残雪があり、クルマはそこまで。前々日に調査済み。とりあえずその雪を越えられないかもう一度試みるがやはり無理。スタックしないうちに諦める。バックで林道脇にスペースがあるところまで100mほど戻る。前々日の調査の時は暗くて路肩が見にくくて苦労したが、明るいとバックは楽だ。
 出発準備をしていると軽トラックが登っていき、やはり戻ってきた。私の脇を過ぎヘアピンカーブの下の段、田んぼの脇に軽トラを止めた。地元の農家のようだ。農繁期が近い。
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 12時20分、今日は長い林道で楽をするため自転車に板を積んでスタート。スキーブーツを履いて急坂を押して登る。先ほどの軽トラックはかなり頑張って、あと少しで残雪を乗り切れるところまで轍が付いている。その残雪を越えた先に薄い残雪があり、それを見て諦めたのかも知れない。しかしその先の残雪は大したことはなく、周囲の景色が開け日当たりがよい区間では全く雪はない。最初の関門を越えたらずいぶん距離が稼げたかも知れない。
 スキーブーツでペダルを漕ぐ気が起こらず、延々と押していく。鉢伏山から氷ノ山へと続く山並みがダイナミックである。
 実はこの林道は2006年4月19日に来たことがある。雪の多い年だったが除雪されていてずっとクルマで入ることが出来た。そのときに仏ノ尾の登山道を探してみたが、よくわからなかった。果たして今日はちゃんと登っていけるのだろうか。
 林道から泥濘状態の枝道があり、スキーブーツも自転車のタイヤも泥んこになって登っていくと、キーポイントであるかつて畑だった平坦な土地に着いた。標高816m(四等三角点「横尾」)ピークの西側だ。一面雪なので、自転車からスキー板を降ろしクロスカントリースキー気分でうろついて見る。仏ノ尾からのびてくる尾根が登山ルートのはずだが、その尾根に上がっていくきっかけがない。ここにくる前に分岐があったがこちらに来るのではなかったのかも知れない。
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 分岐に戻る。ここは816m三角点ピークとその西の小ピークの鞍部となっていて、一面雪に覆われている。どっちへ行っても自転車に乗れる状況ではないのでここに自転車を置く。分岐のもう片方は下りのためスキーを履いて滑り降りる。すると「農作業管理施設」という表札がかかった小屋と、軽トラックなどの廃車が雪に埋もれた場所にでる。もちろん今は無人。ここには以前来たことがある。先ほどの鞍部を北に下ったところだ。雪が切れたのでスキー板を外し、施設のエリアを過ぎて反対側の丘を登る。途中からまた雪に覆われ出した道は、ステップソールを聞かせて登る。たどり着いた先、そこもかつて畑だった平原だ。このように畑の後がいくつかあり、農道が複雑に交差しているのだ。
 さあここからは仏ノ尾へのルートである尾根へ接続している。踏み跡のようなものもあるので進んでいく。ブッシュが多いので板は束ねて手に持っていく。最初は順調に進んだが、徐々にブッシュがきつくなり、板やストックやザックが引っかかり、目、鼻、耳に枝をつっこまれながら進む羽目になる。ブッシュが薄いと思って尾根を少し外していくと、仏ノ尾に向かって右の谷は緩やかなブナ林で歩きやすそうだ。しかし、せっかくの標高を無駄にするのはもったいなくてそのまま尾根をトラバースして進む。
 やがて傾斜が急で雪は堅くブーツのキックステップが効き難くなり、小滑落をする。こんなことなら先ほど板を付けてブナ林の谷におり、そちらを歩いた方が良かった。
 スキーを着けて下の畑の跡地から見えていた標高900余りのピークをトラバースしたところでブナ林の谷と合流。細い通路のような区間を抜け、ブナ林の鞍部へ。ここからは仏ノ尾本峰への登りとなる。最初は緩い登りでステップソールで十分だったが、きつくなったのでシールを装着。さらにやせ尾根となったところでは板を外してザックに付け雪の薄くなっている踏み跡を歩く。
 やせ尾根を越えると急登となり、板を付けて登るが、シールでも直登は無理。階段登行をするも、きつい。周囲は濃いめの杉林、雪はくされ雪。そしてこの勾配ではスキーで下るのも苦労をするだろう。山頂はすぐそこに見えている。当初考えていた青ヶ丸への縦走はとっくに諦めた。スキー板を置いて体だけ山頂に行くことにしよう。板を雪に突き立ててつぼ足で歩き出す。初めは良かったが、そのうち雪がゆるんで足が埋もれて歩きにくくなる。時間ばかり過ぎるが、雪に突き立てたスキー板はまだ振り返ればすぐそこだ。
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 とうとう心が折れた。木々の切れ間から鉢伏山を眺めてここまでとする。ミカタスノーパークの雪化粧はしっかりはがれて、今は全面茶色になった。ハチ北の北壁も朝より茶色い領域が増えたようだ。山頂まで標高差150m、(帰宅後に計測)距離500m弱を残して撤退。
 あっという間にスキー板のデポ地まで下り、シールを外して板を装着。薄い新雪の乗ったザラメで何とかターンが出来た。真っ白な新雪の下は茶色い黄砂をまとった根雪。
 やせ尾根のところは、踏み跡は通らずその脇の雪の上をスキーを履いたまま通過。ただし、片方は切れ落ちて狭く登山道の方から木の枝がのびているので半分は横歩きで下りた。
 その下の林間は、雪が悪く林が濃いので板を外して歩き、少し下って勾配が緩くなったら板を付けて滑る。気に当たらないように、ツーステップでスピードを殺して滑る。
 すぐに鞍部に付いた。ブナ林を快適に下っていたらどうも登りと景色が違うようだ。つい滑りやすい斜面を選んで別方向に下り始めていた。危ないところだったが、ステップソール板なので登り返しはお手の物。見覚えのある細い通路を通過し、来るときに見下ろしたブナ林の谷へ。ここは快適、ツーステップターン。たまに引っかかって転けるのは愛嬌。沼(水たまり)を回り込んで畑の跡地にでる。農道を滑って管理小屋におり、ステップソールを使って鞍部へ登る。
 自転車にスキー板を積んだら、泥濘農道を押して下り仏ノ尾林道へ。ここからは自転車にまたがって一気にクルマに下る。前々日より今日は気温が10度低いので、最後の自転車の下りで一気に体が冷えた。17時過ぎにクルマに戻る。
 帰り支度をしながら、下の田んぼを見ると一人の初老の男性が作業中。朝の軽トラの人だろうか。園までの足は軽トラではなく、スーパーカブだ。林道から集落にでるところに山水がでているので、クルマを止めて泥んこのブーツを洗う。すると先ほどのおっちゃんが、スーパーカブで下りてきた。目があったら「こんちは」と向こうから言ってくれた。こちらも挨拶を返す。そして、集落を走っていくスーパーカブの後ろ姿。映画「ディアドクター」を思い出す。空は曇天。天気の変化は早い。帰り道に見る神鍋高原のスキー場ももう真っ茶色。春の雪が解けるのも速い。
 家に帰ってから、なぜ途中撤退となったのか自分なりに分析してみる。いつものことだが出発時間が遅いこと。林道をクルマで入れなかったこと。山へのとりつきで迷ったこと。途中の道でも歩きやすいルートを選べなかったこと。山頂付近の雪が緩く歩きにくかったこと。…など。
 もちろんすべてが好条件となることなどない。要するに、これらが重なったから。特に林道を自転車を押して出発してから山へとりつくまでに2時間かかったことは最大の敗因だろう。
 山頂へ着いてもその付近ではスキーが楽しめなかっただろうというのは負け惜しみ。やっぱり山頂から向こうの景色、扇ノ山、さらにもしかすると大山を眺めたかった。
 まあ、また青ヶ丸への縦走も含め、いつかリベンジしようと思う。

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コメント

 お疲れ様でした。この雪の少ない年に3月の下旬ではさぞ苦労されたことでしょう。
 雪は多いことに越したことはありませんね。雪が少なくなると、ヤブが出てきて、雪で押さえられていた枝が出てきて、スキーがしづらくなります。
 これからのシーズン、ヤブでないことを確かめていきたいものです。

投稿: す | 2010/03/24 20:26

 はい、雪に倒されて横向きにのびている灌木には悩まされました。
 今回参考にした2人の先人の記録を参考にしましたが、いずれも2005年4月のものでした。まず、4月9日のテレマークスキーでの登頂は、私が初めに迷い込んだ畑の跡地から尾根にとりついています。雪に覆われてどこでも歩けたんだと思います。灌木たちも埋没していたんでしょう。次に、4月17日のスノーシューでの登頂の方は、さすがに雪解けが進んで灌木に苦労したようですが、かわりに林道の除雪が進んでいました。
 思えば、この2日前の氷ノ山東尾根も、かつては4月の定番コースでした。去年今年と2年続けて春分の日の連休に滑っています。初めて東尾根を滑ったのは10年前の2000年。残雪の多い年で、4月22日に滑って、雪はまだ豊富でした。
 ただし、この山での滑りの楽しみは下半分で、それは楽しめました。過去には何度も途中撤退の山がありますが、ここはいい印象で下山しました。

投稿: はいかい | 2010/03/25 19:22

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