武田尾から宝塚へ「JR福知山線廃線」を走る
神戸に行く用事ができた。短時間で済む用事だが、平日でないとだめ。15日、朝のうちだけ勤務して、職場を出発。丹後から福知山、京丹波、篠山と南下して大阪府能勢町から兵庫県内の県道をつないで武田尾へ。秋晴れで、楽しいドライブ。紅葉も始まっている。
武田尾駅の有料駐車場は利用しないで、手前の空き地にクルマを止めて自転車をおろす。武庫川沿いの狭い谷の細道沿いには、民家が点在。武田尾駅には数件がかたまっている。現在のJR武田尾駅をみてから、廃線区間へ。陸橋がスタート地点。何とも気持ちのいいセミダブルトラック、に見えたが実際車輪を踏み入れると枕木の凹凸が結構つらい。トンネル内は暗いが最近新調した明るいライトのおかげで大丈夫。武庫川の風景が美しい。ただし、水はあまり澄んでいない。歩いている人はちらほら。平日のためか、定年過ぎた世代がほとんど。
鉄橋の手前には、「ハイキングコースでなく、関係者以外の通行を認めていない。事故の責任は負わない」という旨のJR西日本による看板が立つ。認めてはいないが、トンネルなどが塞がれている訳ではなく、黙認というスタンスをとっているようだ。これはありがたいことである。鉄橋の本線はふさがれているが、脇の通路はちゃんと開けてあってそこを通過。
「この先は平らになって楽だよ」とすれ違う年輩の男性が教えてくれたとおり、少し枕木の段差が小さくなった。その後も、トンネルを抜けた直後にすれ違う人から「(ライトが近づいてくるのが)速いと思ったら自転車かいな」と声をかけてくれる。平日に来たのは正解だった。あまり人が多いと自転車は邪魔者だが、疎らなときに出会えばどんな人でも気持ちよく声をかけてくれる。
廃線区間を抜けて住宅地を横目に国道176号線へ合流。混雑する道路を走り、生瀬駅を通り過ぎ阪急宝塚駅へ。両駅の間は2kmなので自転車ならば目と鼻の先。ちなみに武田尾から50分ほどかかった。有料の駐輪場に自転車を入れ(100円)阪急電車で三宮へ(片道270円)。元町まで歩いて用事を済ませたら、三宮周辺を散策。
阪急で宝塚に戻り、来た道を引き返す。夕暮れの迫る廃線は誰も歩いていない。武田尾まで緩く登りとなるが、写真を撮ったり歩行者をよけたりする事がないので、下りの往路よりもやや短時間で戻る。もう薄暗い。自転車をクルマに積んで来た道を北上開始。ただし、暗くなって県道の分岐を何度も間違えた。
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コメント
ここは廃線巡りで本で紹介されるほど有名なところですね。自転車で走れるとは知りませんでした。保津峡よりは険しくないですが、新しい線路はトンネルばかりで複線。旧線路は単線で谷に沿って延びているところはそっくりです。
武田尾はさびれた(失礼)温泉地。一度入ったことがありますが、あのあたりなら有馬が何倍もいい。泉質が違いすぎます。
投稿: すう | 2009/10/22 20:46
通行は許可されていません、自転車も歩行者も。あくまで黙認です。なかなか珍しいケースですね。
何かと悪い話題のJR西日本ですが、同じ福知山線でもこの廃線の扱いに関しては拍手を送りたいです。
ところで、今回神戸行きの計画を練るため地図を眺めていて、かつて自転車雑誌に掲載されていたこの廃線を走る記事が頭に浮かびました。ところが、その記事から10年以上、自転車がらみで話題になったことを聞いたことがありませんでした。もちろんネットで検索をかけてみましたが、自転車での通行記録は思いの外、少ないヒット数でした。それでもこの夏以降の通行記録があったので出向いたのですが、枕木の段差がネックでした。
投稿: はいかい | 2009/10/23 02:31