2017/04/06

Slide and Ride 裏くらます

 独特の山名を持つ山「くらます」。山頂部東側の無立木の斜面は、冬には真っ白な大雪原となり、スキーやスノーボードの滑走系の登山者はもちろん、スノーシュー等で登頂した人も広大な雰囲気を味わうために訪れている。
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 その斜面にあこがれて3月下旬に登頂したものの、登りに時間を使いすぎてその斜面を滑ることができなかった。
 冬場の一般的な登山口は西の麓の吉川集落。東斜面は裏側ということになる。後日、あの斜面を滑れなかったことを悔やみながら、次はどうにかならないかといろいろと情報集めていた。
 すると、東側の麓、加地川沿いの林道大通中江線(加地林道)が、この春、加地集落からかなり奥まで除雪されていることが判明。その途中から、くらます中腹に林道の支線が分岐している。
 次に、GoogleEarthを見ていると、その支線林道にはさらにいくつもの支線が張り巡らされていて、例の大雪原に向けて伸びているものがあるようだ。おそらく自動車は通行不可能な、林業の作業道だろう。国土地理院の地図には描かれていない。ちょうどGoogleEarthのくらます周辺の画像が、冬の初め(2015年12月)に撮影されたものだったので、植林の中に白く浮き上がってみる道を見つけることができた。
 カシミール3Dで切り出した国土地理院の地図と、GoogleEarthの画像を重ねてどうにか国土地林の地図に林業作業道(以下作業道)を描き加えた、GPSレシーバー用の地図を作成することができた。
 ただし、これはあくまで机上で作り出したもの。次のチャンスまでには実際に作業道をたどって、GPSのトラックを取得した。雪が解けたらMTBで行ってみようかとも思ったが、今ならまだスキーで歩けるのではないか。
 結局3月いっぱい気温は低めだった。林道や作業道にはまだ雪が残っているだろう。作業道の先で藪が出ていればそこまで。だとしても、作業道の様子を知り、GPSのトラックをとっておくことは大きい。うまくいきそうなら、吉川から入山し加地に下山するというコースも可能になる。
 4月初めに、再び鳥取県若桜町へ。戸倉峠中腹の落折を過ぎて、まとまった集落群に降りる。その中の大野という集落で国道29号線から南に折れるとすぐ加地の集落。集落を抜け、加地川に沿って南下。これが林道大通中江線。林間の薄暗い舗装道路だ。加地の家並みが途切れてから2.5kmでくらます中腹への支線林道への分岐。
 雪がない!分岐の起点である加治川を渡る橋のたもとがゲートで塞がれているので、クルマは入れない。とりあえず歩いて様子を見に行くが、当面雪は現れそうにない。
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 というわけで、自転車を使うことにした。雪の状態によっては、途中までしかいけないことも想定されるので、自転車を積んできている。もしスキー登山の下見が早く終わったら、どこかで自転車に乗ろうという目論見だ。たたし、残念なのは、MTBでなくクロスバイクを持ってきていること。この支線林道は出だしは舗装だが、途中からダートになるとのことだ。しかも平均10パーセントを越える急勾配。
 まあそれでも、歩くよりはいいだろう。自転車にスキーを積載すれば、背負うより随分楽だ。
 ところが、スキー板を自転車に固定するためのベルトがない。これは、自転車のトゥクリップのストラップが最適。2本のストラップを使って、ダウンチューブとサドル下にスキー板を固定するのだが。結局、代替品としてズボンのすそをとめるストラップを利用。あまりきつく固定できないが、まあ大丈夫だろう。
 そんなこんなで準備に小一時間かかり、9時17分スタート。天気は快晴だ。
 ゲートを越え、橋を渡るといきなり急坂が始まる。クロスバイクとはいえ、かなり低速ギアを用意してあるのでちょっとがんばってみたが、さすがにスキーブーツでは効率よいペダリングはできない。すぐに押して歩き自転車は荷車と化す。
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 すぐに、小さな小屋がある。林道分岐から見える背面では倉庫かと思われたが、正面から見るとテラスがあるなどなかなか洒落たつくりになっている。そして「清流遊山荘」という看板。別荘?こんなゲートで閉ざされたところに?結局謎のまま。ついでにいうと分岐のところにも別荘風の建物があり、そちらはあまり手入れされていないが、清流遊山荘はきれいに整えられている。
 その先で不気味なものを発見。なにやら動物の骨だ。あばら骨が見事に骨格標本のように残っている。と思ったら、頭蓋骨も。ぱっと思い浮かんだのはシカだが、頭蓋骨の先端がくちばしのように細くなっている。コウノトリみたいな大型の鳥かと考えたが、歯があるからやっぱりシカだろう。不自然な方向を向いているが、足もあった。しかし、内臓や筋肉、皮膚などは全く見られず、きれいに骨だけが残っている。少し白い毛が落ちているだけだ。ただし、写真を撮る勇気はわかなかった。
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 道路を塞ぐ残雪を2度乗り越えた後、土砂崩れをひとつ乗り越える。その土砂崩れがちょうど干そうとダートの変わり目。そこからすぐ、またも残雪が道路を塞いでいた。自転車はここまでとする。1km弱、標高差ちょうど100m進んだところだ。
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 が、しばらくは板を担いで歩く。完全にふさがった部分を越えると、道路の山側は残雪は覆われ谷側は路面が出た区間が続く。路面はダートなので自転車を置いてきたのは正しい判断だろう。山側の雪はずっと続いているので、下りはスキーで滑れる。
 相変わらず勾配が急で、すぐわきを流れる沢も、落差こそ小さい物の滝が連続する急流だ。雪解け水がごうごうと音を立てて流れている。
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 またも道路が全面残雪に覆われている。今度は山側の法面からずり落ちてきた雪が斜めに分厚く積みあがっている。ここでスキーを装着。シールはまだ温存し、ステップソールの恩恵にあずかる。斜めの雪面なので、スキーのエッジも効果を発揮する。
 雪は増える一方で、自転車デポジット、そしてスキー装着のタイミングはばっちりだった。
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 やがて、谷が狭まり流れは沢となる。周囲は植林帯に変わる。ただし、先日のヘンブ谷ほど狭い谷ではなく、木々の間から日差しが降り注ぐ明るい谷だ。特に今日は青空がのぞき、いい雰囲気だ。道路の勾配が沢に追い付かないらしく、時折S字カーブで標高を稼ぐ。雪はすっかり量を増し、もう地肌が見えているところはない。
 この支線林道はヘアピンカーブで沢に背を向け斜面をトラバースしていく。そちらには向かわず、そのまま沢沿いを行く。ここからが林業の作業道だ。出だしは、地形の凹凸が複雑で、作業道なのかスノーブリッジに覆われた沢なのかわからない。落とし穴で沢に落ちるのは嫌なので、シールとスキーアイゼンを装着して法面を歩く。やがて、はっきりと作業道が確認できたのでそちらを歩く。左右方向が平らなのは楽である。
 その作業道もやがて先ほどの支線林道と同じようにヘアピンカーブで斜面にとりつく。道幅が狭い。シングルトラックとダブルトラックの間の、1.5トラックというところ。また相当の急勾配だ。とにかく軽トラックでも通行できないだろう。キャタピラ式の丸太運搬車が通れる道、という想定と思われる。雪がない時期にMTBできたら、下りで乗車できるかどうかその人の技術次第というところだろう。
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 基本的には左右方向には水平なのだが、時折山側の法面からずり落ちた雪で、完全に斜面になっている区間があるので、スキーアイゼンは付けたままで歩く。
 作業道は、何度もスイッチバックして高度を稼いでいく。正午を過ぎた。木々の合間から氷ノ山が見えたところで、ザックを下し持ってきたパンを食べる。ただし、見えるのは三ノ丸で、最高峰の1510m峰は見えない。
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 さらに作業道を行く。斜面は壁のような急勾配で作業道がなければとても登れそうにない。滝のような沢に沿って雪崩が起こったのか、量は少ないが大きなブロックのデブリも見られる。
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 標高980mを越えると、植林帯は終わり落葉樹林に変わる。そして作業道も終点に到達。ここからは斜面へ取り付かねばならない。もし藪が出ていればここで撤退、というつもりだったが、幸い斜面は雪に覆われている。山頂北ピークを目指して、スキー登山続行だ。ちなみに、GoogleEarthの航空写真から写し取った作業道はほとんどずれはなかった。
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 とりつき斜面の出だしは急勾配。作業道が張り付いて区間より、あるいは先日のくらます西斜面の上部よりは若干緩いものの、やはり厳しい。作業道をもう少し伸ばしてくれたらいいのに、と思うが、植林がないところにわざわざ道を付けるわけがないのである。それに、山に対しては作業道などない方が優しい。
 しかし、標高差30mほどで、明らかに勾配が緩む。これで少し楽になったが、それでも作業道よりは確実にペースは遅い。この斜面がしばらく続く。振り返れば、三室山。そして、氷ノ山山頂も見えている。兵庫県の2位、1位の高峰を背負って上る。
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 歩いているのは尾根筋で、その尾根の側面は立木がなくおびただしいクラックが口を開けている。その雪面の裂け目からは笹がのぞいている。クレバスのないところも雪面がしわが寄ったように波打っていて、近寄りがたい雰囲気だ。
 標高1100m近くなって落葉樹林が途切れ、いよいよオープンバーンとなる。ところが、ここが難所。稜線にもクラックができている。それを避けながらコース取りをするが、そうすると急斜面を越えなければならない場面が発生する。雪面には、つい先日、3月末の寒の戻りで積もった新雪がザラメとなって20cm程積もっていて、急斜面ではしっかり踏み固めながら歩かないと、小さな表層雪崩が発生する。それは、ゆっくりとした速度で滑り落ちていくもので、スキーで切断された雪面の谷側が流れ落ちていく。その下のしまった根雪の層にスキーアイゼンを刺しているので、自分自身が一緒に落ちることはないのだが、気持ちのいいものではない。
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 クラック地帯を抜けて徐々に斜度が緩み、満を持してという感じで山頂が見えてきた。もうかなり近い。斜度の変化の関係でオープンバーン全体が見えるわけではなかったが、憧れの雪原へ到着だ。青空と白い雪原がとにかくまぶしい。そして、まったくのノートレース。
 輝く雪原に目が眩む。つまり、目を「眩ます」大雪原だ。
 直登できるのでもうスキーアイゼンを外す。山頂にもって上がる必要はないので、一本の立木の足元に置いておく。アイゼンに詰まった雪ががちがちに凍り付いている。汗ばむ陽気なのだが、雪面に冷やされながら板とアイゼンに挟まれながら踏みつけられると、透明な氷に化している。
 足が軽くなった。シールを外したらもっと軽快になるのだが、今歩いている斜面ならステップソールで行けるが、山頂直下にやや急勾配の斜面が残っているので、山頂までシール登行とする。
 15時9分、山頂北ピークへ到着。標高1260m。すぐ南の三角点のある山頂より20mほど低い。北ピークには、三角点ピークから往復したスノーシューのトレースがあった。
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 西側は背の高い落葉樹林であまり展望はよくない。何とか、木々の合間から東山と沖ノ山を確認。大山は、霞により山影すら見えない。また、南に三角点ピークがあるので、後山連山は見えない。その代わり、東は大展望。氷ノ山と三室山。また北方には、扇ノ山、仏ノ尾、青ヶ丸が見える。他にも、但馬妙見山やら暁晴山やら、いろいろ見えているのだが、例によって登頂が遅くなったので、急いでシールを外して滑降にかかる。先日訪れた、三角点ピークには初めから登る気はない。
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 さあ、いよいよ憧れの雪面の滑降だ。程よい斜度で、重いザラメながら気持ちよくターンができる。何せ、ターンの度に氷ノ山と三室山が交互に正面に来る。贅沢な斜面だ。
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 立木の下でスキーアイゼンを回収。日差しによりアイゼンの中に詰まっていた氷は緩み、簡単に落とすことができた。
 そして、もう少し滑りを楽しむ。斜度もいい感じだ。雪質がよく、時間があれば、ステップソールで何度も登り返して滑りたいところだ。
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 しかし、落葉樹林との境界付近に来た。クラック帯に来た。下りはスピードが出てしまうので、発見が遅れてしまう。できるだけ、登りトレースをたどりたいが、斜度や立木の関係でどうしてもそうはいかないこともある。ザラメ雪に覆われたヒドゥンクレバスにテールが落ちてしまった。ステップソールで何とか這い出す。
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 尾根筋のクラック帯はすぐに越えることが切るが、その下の林間の急斜面もまた難所。尾根を外したいが、片方はクラック地帯なので、反対側の林間へ。浅い谷になっているが、雪面に凹凸があったり立木の密度が高かったり、そして表面のザラメが小さな表層雪崩を起こしたりして難儀する。先日の東斜面の上部でも急な林間に苦戦したが、その時よりも斜度が緩いのにむしろ難しいように感じる。雪面の凹凸は雪解けが進んだせいなのかもしれない。
 何とか難所を越えて、作業道に降り立った。これで一安心。ただし、狭く急なのでスピードコントロールが難しい。山側の法面が雪に覆われていれば、そちらに乗り上げれば減速、停止できるが、法面の雪がなければそうはいかない。その区間の手前で一度停止してから、ボーゲンで我慢して切り抜ける。スイッチバックは、とりあえず通り過ぎながら停止し。方向転換する。林道は複雑に張り巡らされているので、登りトレースを意識して滑る。シカの足跡が、登りトレースをたどっていた。細い脚のため、ラッセルの深さはあまり変わらないみたい。
 ふと気づけば、スキートレースが消え、シカのトレースのみとなっていた。スイッチバック地点を5mほど過ぎてしまった。登りでは、上方に向かっていけばいいのだが、下りではこうした道迷いしやすいポイントがある。吉川から登って、火事に降りる場合は、こうした事態に気を付けなければならない。
 ようやく谷底の沢が見えてきた。細く急な作業道にくたびれていたので、植林斜面に飛び出す。登りで何とか滑れそうだと目を付けていたところだ。杉の落ち葉に覆われているが、斜度があるのでそのまま滑ることができる。作業道を少しショートカットする形で沢沿いに降りる。そのあとは、沢音を聞きながら谷底を滑ればすぐに支線林道へ。
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 ここまでくればもう安心。車道としては急勾配でも、自動車が通れる設計なので、道幅もあるし快適に滑れる。むしろ10パーセントを越える勾配がないと板が走らない。
 道路脇の植林へ飛び出すことができたり、S字カーブがあったりして、それなりに変化を付けて滑る。
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 やがて植林帯が終わると、自転車までもうすぐ。落石の地雷を踏む場面があるが、元々ステップソールの板なので、滑走面の傷はあまり気にしないことにする。
 路面の谷側が露出したところで、気づくと登りトレースが消えている。あ、自転車を通り過ぎたのか、と焦るが、よく考えたら板を担いで歩いたのだった。
 そして、山側の残雪はつながっていて、板を外すことなく自転車デポジット地点に帰着。
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 板を積載し、自転車にまたがる。急なダートの下りなので、徐行運転。クロスバイクの700CタイヤにVブレーキの制動力では、すぐにタイヤはロックしてしまう。
 ダート区間はわずか。土砂崩れを越えて舗装路へ。しかし、急勾配に杉の落ち葉で覆われ雪解け水にぬれた路面のグリップは弱く、やはり徐行運転。それでも、歩くよりは早いし楽だ。
 登りでは、残雪区間を2度通過したが、下りでは1度のみ。なんと一つは、雪解けが進み、自転車が通れるほどになっていた。
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 シカの骸骨に再会し、清流遊山荘の前を通って、加地川の橋を越える。ゲートのわきを抜けて、17時9分、林道大通中江線との出合へゴールイン。ああ、今日も楽しかった。最終目的地のくらます北ピークに到達できて、東斜面を滑れて満足、満足。自転車に乗れたのも楽しかった。MTBだったらもっとよかったね。
 クルマにスキーと自転車を撤収して帰路に就く。


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2017/04/02

春なのに雪山ですか

 もう4月というのに、標高1000m未満の丹後の低山にまだ雪が残る。
 大江山連峰、鍋塚
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 磯砂山
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2017/03/31

動画でございます、くらます

 林道に降りてからのシーン、酔わないようにお気を付けください。
※4月6日、動画差し替え。


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栃木県那須高原の高校山岳部雪崩事故

 痛ましい事故がまたも起きてしまった。栃木県の高校山岳部の合同春山合宿で、48人の生徒や教師が巻き込まれ、そのうち8人が死亡した。

 NPO法人「日本雪崩ネットワーク」による過去25年間(1990/91-2014/15)の統計(http://www.nadare.jp/assets/cms/Fatalitydata_25years.pdf)によれば、日本国内の平均で1シーズンあたり事故5件、犠牲者9人とのこと。大きな事故が起こればそれで跳ね上がるのだが、1件の事故で8人が亡くなるというのは大変な惨劇である。ちなみに統計の25年間のトータルで、栃木県の雪崩による死者は4人。
 学校や県教育委員会側のコメントは、「経験豊富な引率教員が安全だと判断した」とのこと。要するに「想定外」と言いたいのだろうが、こういう場で使うことに悪いイメージが付きまとうようになってしまったのであえてその言葉を避けているような印象だ。
 また、一言で経験豊富と言っても、何の経験が豊富なのか、という疑問が付きまとう。
 ちなみに、被害者の出た大田原高校のWebサイトの山岳部のページ(http://www.tochigi-edu.ed.jp/otawara/nc2/?page_id=92
)をみると、以下の通り。

----------------------(引用開始)----------------------
県大会
インターハイ予選会(第1位のみインターハイ出場) 8連覇中
関東大会予選会(第6位まで関東大会出場) 3連覇中
新人大会(上位大会なし) 3連覇中
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 最新の情報では、県大会9連覇中とか。一般的なレジャーとしての登山という面だけではなく、大会を目指す体育会系の部活という面も併せ持っている。しかも県内での強豪校。大会出場を見越した登山競技の比重が大きかったのではないか。ちなみに、山岳部のページにこんなことも記述されている。

----------------------(引用開始)----------------------
夏山合宿
平成27年 白馬岳(2932m)第26位  富士山(3776m)日本一
平成26年 槍ヶ岳(3180m)第5位 北穂高岳(3106m)第9位 富士山(3776m)日本一
-----------------------(引用終)-----------------------

 合宿で訪れた山が日本で何番目に高いかということまで書かれている。この原稿を書いた人は、おそらく顧問の教師だろうが、順位へのこだわりが強いように思われる。などというのは穿ち過ぎた見方だろうか。

 ところで、インターハイの登山競技とはどのようなものか。新潟県央工業高校山岳部OB会(http://mtob.sakura.ne.jp/pages/ih/index.html)のサイトに次のように記されていた。

----------------------(引用開始)----------------------
1.安全に登山することのできる体力と歩行技術がある「行動」…40点
2.しっかりとした装備を準備・携行する「装備」…10点
3.テントの設営などを協力して効率よくできる「設営・撤収」…10点
4.カロリーなどを考えた献立で炊事する「炊事」…5点
5.天気に関する知識の習得・天気図を書く「気象」…7点
6.登る山について知る、地図を読むことができる「自然観察」…8点
7.計画を立てる、事後に役立つような行動記録をとる「計画・記録」…10点
8.けがや病気の場合の救急の知識、対処法、医薬品を備えておく「救急」…5点
9.自然に対するマナー、仲間との協調性を持っている「態度」…5点
-----------------------(引用終)-----------------------

 いわゆる「山岳レース」ではなく、総合的な観点で評価されるようだ。審査員は出場者に同行したり、待ち受けたりして、安全で的確に行動できているかを常に監視しているとのこと。また実技だけでなく、筆記試験もあるそうだ。
 ただし、これがは競技であり実際の登山と全く同じということはあり得ないと個人的に思う。強いて言えば、受験英語と実用英語は必ずしも一致しない(無関係ではないが)、と同じようなことがあるのではないか。
 例えば、3.のテントの「設営・撤収」は、同じテントで競わねば競技にならないわけで、当然最新モデルであるわけもなかろう。「時代遅れのテントをストップウォッチでタイムを計られながら、しわなくきれいに張ることを競った」という経験者のコメントもある。
 さらに、高校生が行う競技であるので、もともと安全が確保された状況で行われていることは間違いない。
 そして、上記登山競技は夏山でのもので、雪山では行われない。夏山と雪山は別物で、特に雪崩などは独自の知識や技術(危機管理など)が必要である。経験豊富な顧問は、雪山の経験も豊富だったのだろうか。

 ニュースを見て驚いたのは、「周囲には埋まっているとみられる数人の顔や手足が雪の上に出ているのが見えた」という那須山岳救助隊の副隊長のコメント。雪崩事故が起きてから通報までに1時間ほどがかかり、救助隊が到着したのはさらにそのあと。雪崩事故での死因で最も多いのは窒息死。前出の日本雪崩ネットワークの講演「アバランチナイト」によれば、死因の65パーセントが窒息。さらに埋没時間15分で生存率80パーセント、30分で50パーセント。救助隊が来るのを待っていてはだめで、即座に自分たちで救助活動を行う「セルフレスキュー」が必須である。
 ニュース等では、ビーコン等の装備を持っていなかったこととについて批判が集まっているが、それ以前の問題である。顔や手足が出ていればビーコンはいらない。それでも掘り出していないのだ。

 ところで、一言で窒息といっても雪の中に空気が存在していないというだけではない。たまたま顔の周りに空洞ができて空気が存在しても、胸や腹を圧迫されるとあばらの筋肉や横隔膜で肺を膨らませることができず窒息する。腹が出た人は前かがみになると息苦しい、ということもこれにあたる。
 ちなみに、昨年1月のNHKスペシャル「震度7 何が生死を分けたのか〜埋もれたデータ21年目の真実〜」では、阪神淡路大震災の犠牲者のうち多くは倒壊した家屋や家財道具で胸や腹を圧迫された窒息死であった、とのこと。ちなみに「もしものとき.com」(https://moshimonotoki.com/item1341/)のサイトにそのことが記述されている。

----------------------(引用開始)----------------------
死亡原因は窒息死だった
 地震発生から1時間経つと、当日死亡者の約75%にあたる3,842人が死亡しました。その死因は7%が焼死、90%は倒壊した建物の下敷きとなった圧迫死で、さらに検案書の記録から詳しく調べると、即死を意味する圧死は8%にすぎず、61%にあたる2,116人は窒息死でした。
-----------------------(引用終)-----------------------

 大雪のためあらかじめ計画していた那須岳への登山を中止せざるを得ず、だからと言って何もしないのではなく、何か代わりのことを、と考えたのだろう。生徒だけでなく合宿への費用負担を含めた保護者のサポートに対して答えなければならないという思いがあったのかもしれない。
 ただ、指導経験豊富な教師が、雪山に対するリスクマネジメントやセルフレスキューの知識や技術も豊富だったかどうかはわからない。

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2017/03/29

ホワイトくらます西面滑降

■くらますでございます(山の名は)
 その珍しい山名のせいで、ずっと前から存在を知っていた「くらます」。意識したのは去年、2016年2月11日。快晴の氷ノ山三ノ丸から南方、兵庫・鳥取・岡山の三県境をなす山々の中の峰のひとつに立木のない真っ白な斜面が見えた。スキー場? 方向からして「ちくさ高原」?
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 帰宅後、調べてみるとその山が、「くらます」だった。
 いつか登ってみたい。そして、その真っ白なオープンバーンを滑ってみたい。
 そして雪に恵まれた今シーズン、決行することとなった。
 急斜面と藪のため、登山道は整備されていない。南北に伸びる山頂稜線上の標高約1000mの小通峠(こどれとうげ)に舗装林道がしかれている。くらますは小通峠の北方にある標高1282mであるが、その間には標高1137mの高倉、そして1144mの無名ピークがあり、藪の中のアップダウンを越えなければならない。というわけで、藪が雪に埋もれた冬場の入山する人の割合が多い山だが、小通峠への林道は当然除雪されておらず、西または東の急斜面を登ることとなる。東は、国道29号線沿いといってもいい加地集落から、未除雪の加地林道を延々とたどらねばならない。西は、麓の吉川集落までクルマで入ることができ、積雪期の入山口としてはこちらが主である。
 というわけで、吉川集落からの入山と言うことで計画を練る。標高差は700mあり、登りの遅い私ではラッセルでの登頂は難しい。ということで残雪期を狙うことになる。3月初旬にチャンスがあったが、ボーっとして逃してしまった。そのあと2度ほど寒の戻り。ようやく雪が落ち着いたのが3月下旬というわけだ。
 相方は、2年前に一緒に三ノ丸からくらますを眺めた、すうさん。今シーズンは、ちょうど1ヶ月前の大江山以来の同行だ。 
■おはようございます、くらます
 3月25日5時20分、京丹後の自宅を出発。豊岡市の但東、出石を経由して、7時に養父市大屋町ですうさんと合流。若杉峠、戸倉峠を越えて鳥取県若桜町へ。道の駅「若桜」でトイレ休憩を入れ、岩屋堂へと引き返す。県道72号線を5km南下し吉川集落へ。標高500m程の山間部にあるが、なかなか大きな集落だ。世帯数は30以上ありそうだ。
 途中の戸倉峠の兵庫側などは路肩にまだ1mを越えるような積雪が見られたが、鳥取県に入り周囲の山々を見上げながら「雪はまだあるのだろうか」と不安を感じていた。しかし、吉川に近づくに従いその不安は薄れていった。そして、集落の一番奥の牛舎の先で、車道をふさぐ分厚い雪を見て不安は消え去った。
 固さなどの状態を確かめるために雪の上に乗ってみると、表面は凍てついているがすぐ下の層は緩んでいてツボ脚なら少し踏み抜く。曇天で放射冷却は起こらず、冷え込みは緩めだった。しかし、スキーならラッセルはないだろう。雪から降りたところで転倒。雪解け水が凍りついたブラックアイスバーンとなっていた。
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 今日除雪作業をすることはないだろうが、それでも除雪作業の邪魔にならないように少し間をあけ、もちろん牛舎に出入りする人の邪魔にならないような位置を考えて路肩に駐車。ちなみに我々の1台のみだ。
■おじゃまします、くらます
 出発の準備を整え、雪に埋もれた車道を歩きだす。すうさんはシール、私はステップソールで。当然もう民家はないのだが、すぐに山に入るわけではなく、少し開けた谷には田んぼがあるようで、農作業や山仕事の関係と思われる納屋が見られる。道路のわきに「県管理はここまで」という意味の標識があった。この先は県道でなく沖ノ山林道ということか(もっと先まで県道として表示された地図もある)。その辺りの木々の切れ間から山が見えた。くらますだ。よし、白い!
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 足元の雪面には、ツボ脚、スノーシューまたはかんじき、そしてうっすらスキーのトレースが見られる。スキーは下りのものとみられる。
 谷が狭まりいよいよ山に入り、沖ノ山林道はカーブを繰り返し標高を上げていく。ヘアピンカーブの先端から飛び出しているのがヘンブ谷川沿いの林道。こちらへと入り込む。下りとみられる2人分のスキーのトレースがついている。雪面が凍てついていてステップソールのグリップが弱い。踏まれていないところの方がいいかと路肩に寄ったら、側溝の落とし穴に落ちた。脱出に体力を消耗した。
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 ヘンブ谷川に沿ったダブルトラックは、蛇行の振幅は小さく結構な勾配で直登に近く登っていく。この谷の周辺は、くらますの麓で最も勾配が緩い。いたるところに植林があるので、山の周囲からいくつもの林道が山腹に伸びているが、ヘンブ谷以外は蛇行が激しく距離がかさんでしまう。また下りでも勾配が緩く板が走らない。その点、今歩いているヘンブ谷川の林道は、むしろ下りでのスピード出すぎが心配になるくらいの勾配がある。距離、標高差の両面で最も山頂に近い吉川集落までクルマで入れることと、このヘンブ谷の林道があることが、積雪期にこのルートでの入山が一番多い要因である。
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 さすがに雪解けも進んでいて、コンクリート舗装の路面が顔を出している箇所がいくつかあった。なんとか雪がつながっていて、板を外すことなく進むことができた。
 砂防ダムを越え、勾配が急になってきたところで私もシールを装着。もう雪の切れ目はない。
■急登でございます、くらます
 標高800m付近が林道終点。さあ、ここからは道がない。スキーアイゼンを装着し、スキーの下りトレースにいざなわれるように斜面にとりつく。林道をたどってきたわけだから出だしは植林だ。しばらく登ると植林は終わり、比較的なだらかな雪原に出た。ここは楽しく滑れそうだ。朝は曇天だったが、いつしか青空が広がり、とても明るい雰囲気。期待を胸に上る。さらに行くと落葉樹の疎林となり、ここも十分ツリーランが楽しめる感じ。
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 先ほど道がないと書いたが、国土地理院の地図には林道終点から深い谷に破線が描かれている。我々が登っているルートはその破線の北側。谷の南側は植林。当然自分たちが今いる方が滑降に適しているので、登りでこちらにトレースを目印として付けていくのは正解だろう。スキーの先行トレースはさらに北方に消えていった。我々は、くらますの頂のすぐ南の稜線に向けて直登していくことにする。結局先行トレースを上部で見ることはなかった。
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 しかし、進むにつれて勾配は急になり、木々は密になっていく。振り返ると木々の合間に東山が見える。また周囲には大きな岩が見られる。ちなみに、くらます山頂にある三等三角点の点名は「天狗岩」だ。
 標高1000mを越えたところで正午となり、昼食の休憩。
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 登行を再開するが、勾配はさらにさらに増していく。木々の密度も濃く滑るのも快適ではなさそうだが、斜滑降できるだけの隙間はある感じ。登りでは、長い斜登行で大きくジグザグを描いていく。背後の景色にも変化があり、東山の左の稜線の奥に沖ノ山が顔を出した。
 稜線らしき斜面の端は見えているのだが、なかなか近づかない。あまりにも遅いので、先行したすうさんが、心配して降りてきてくれた。
 ようやく勾配が少し緩んできた。稜線が近い。大変な時間を要して、そして、どうにか稜線に到着。稜線歩きは勾配が緩く快適。東側の展望が開け、右後方に立派な山が見えてきた。このあたりの地理にはあまり詳しくなくてわからなかったが、山頂で地図を見たら三室山だった。さらに前方には大きな氷ノ山も見えてきた。三ノ丸が白い。
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 くらます東斜面に注目しながら山頂を目指す。昨年氷ノ山から臨んだオープンバーンが気になるところだが、稜線の両側に結構立木のない斜面があるようだ。
■ありがとうございます、くらます
 両側が切り立った狭い山頂、標高1282mに到着。雪庇に要注意だ。さすがに急勾配の山だけあって展望がいい。
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 そして立地もいい。兵庫県の標高ベスト3である、氷ノ山(1510m)、三室山(1357m)、後山(1344m)、そして鳥取県の東山(1388m)、沖ノ山(1312m)にぐるりと囲まれている。また沖ノ山の左手の奥には那岐山も姿を見せているし、現地では認識できなかったが東山と沖ノ山の間には遥かに大山を望むことができる。写真には辛うじてその山影が写っていた。
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 ただし、稜線は南北に続き、特に北方はすぐ近くに同じような高さの北ピークがあり、そちらのブッシュにより展望がさえぎられる。北方の扇ノ山はどうにかブッシュの脇に見えた。足元の雪の量が少ないと見えなかったかもしれない。
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 北ピークとの間の鞍部は結構急に見える。お目当ての北ピーク東斜面は目の前だが、もうそちらを滑っている時間はないので泣く泣く諦める。
 登りが遅くてごめんなさい。すうさんのペースなら十分北ピークの東斜面で遊ぶ時間があったはずなのに。まあ、登頂を果たしたのだから撤退ではないよね。
■滑ります、くらます
 シールを外し、登ってきたルートをたどる。狭いので慎重に。そして西斜面へ。重いザラメだが、何とかコントロールできる。最初は少し緩いので何とかターンできたが、急斜面になってくるともうダメ。斜滑降・キックターンを繰り返す。斜面が広いのが幸いだ。少し斜度が緩んできたらすうさんは果敢にターンをしているが、怖がりの私はキックターンに頼るしかない。
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■メリーくらます
 我慢の下りを経て、ようやく斜度が緩み木々が疎らになってきた。登りで楽しみにしていた斜面だ。ここで快適な滑りを堪能。お互いの滑りを動画に撮り合う。
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しかし、楽しい時間はあっという間に終わってしまい、植林帯に突入。何度も転倒。
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 そしてようやく林道に降り立つ。ヘンブ谷の林道は斜度があって板が適度に走る。ぐんぐんと下っていく。雪が切れかけたところを慎重に越え、あっという間に沖ノ山林道との出会い。こちらは斜度がなくて板が走らない。ほんのわずかに登りがあって、そこでステップソール板の本領を発揮するが、そのあとのごく緩い下りではステップが抵抗となり、すうさんのシュプールを拝借しているのに、あれよあれよと引き離される。そういいながらも下りは速く、農作業小屋などの建造物が見えたと思ったら、牛舎が見えてすぐに除雪の限界点。お疲れさま。
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 クルマにスキーなどを撤収して帰路に就く。お目当ての山頂北ピーク東斜面を滑ることはできなかったが、雪は十分あって、登りも下りもずっと板を付けたまま行動できた。滑りもそこそこ楽しんだ。まあ、楽しかったね。
■家に帰るまでがスキー登山です
 戸倉峠、若杉峠を越えて大屋ですうさんとお別れ。八鹿氷ノ山I.C.から北側の日高神鍋高原I.C.まで延伸し、今開通したばかりの北近畿豊岡自動車道を通って帰ろう。大屋・養父の旧町境手前の交差点を琴引トンネルへと左折していくクルマが多い。国道9号線および八鹿へのルートだが、この先の自動車道を使えばいいのに。と思いながら大屋川沿いの県道を進み、養父I.C.で南に向かうすうさんに続いて入線しようとしたのだが。北向き車線には入ることができない、ハーフインターチェンジだった。
 そういうことか。先ほど琴引トンネルへと向かったクルマの中には、八鹿氷ノ山I.C.へと向かうクルマもいたのかも知れない。ここまでくるともう自動車道の利用は遠回りになるのであきらめる。
 出石・但東経由が最速ルートだが、安いガソリン給油するために円山川沿いの一般道を日高に向けて北上。見事に空いている。ところが日高で、複数の消防車、救急車、ドクターカーに遭遇。いずれも血相を変えて叫びながら走っている。帰宅してから調べてみると、なんと自動車道開通直後に立て続けに3件の追突事故。南向きで1件、北向きで2件。そのうち北向きの片方は4台の玉突き。開通直後に、3時間の通行止め。
 自動車道に乗れなくてよかった。やはり、トラブルなく変えるのが一番大事。
■振り返ります、くらます
 この報告を書いていて気になったのは、スキーの先行トレース。下りのシュプールだったが、標高900mから下は我々が上り下りしたコースと同じだが、それより上は北方からトラバース気味に降りてきている。そして山頂付近ではトレースを見かけなかった。
 もしかすると北側のピークから直接下ったのかもしれない。
 我々が登頂した三角点のあるピークが最高点。そのすぐ北(直線距離400m足らず)のピークは、三角点より標高で20mほど低い。その分広くなだらかな雪原となっていて東斜面を目当てに訪れる滑走系登山者ばかりでなく、スノーシューやかんじきでの登山者もその解放感と展望を目当てに訪れるようだ。
 我々は、自分たちが立つ三角点ピークから鞍部への急な下りを見て北ピークをあきらめた。三角点ピークから鞍部までの下りは標高差40m程の急勾配だが、鞍部から北ピークへは標高差20mでしかもなだらか。北に行くと、戻ってくるのに時間がかかると思ったのだ。
 来た道を引き返す、という固定観念にとらわれ、北ピークからそのまま西斜面に下るという発想がなかった。北ピークへといっておけばよかった、と今にして思う。まあ、そういうことを思いつく余裕がなくなったのは、私のスローな登りのせいなんだけどね。
 地図を見れば、我々はヘンブ谷の林道終点からほぼ真東に上り下りしている。ヘンブ谷林道の終点から標高1000m辺りまでは真東直登で正解だっただろう。滑りを楽しめる斜面があったし(あの斜面があるかないかで、今回のスキー登山の満足度は大きく異なる)。問題はその上だ。
 三角点ピークの南西側の標高1050~1150m付近は周辺でも最も勾配がきつい辺りとみられる。標高1000mあたりから鞍部に向けて北東に上り下りするコース取りもあり得る。どっちみち登りは斜登行、下りは斜滑降でジグザグを描いていたわけだから、スイッチバックせずそれを斜めにいけばいい。標高1000より上ならば尾根や谷も浅く、トラバースしやすいように見受けられる。見えている範囲、つまり浅い谷から出ないことにこだわりすぎていたのではないだろうか。特に登りで体力を消耗する方向転換を減らす意味もある。
 もし、二度目があるなら、いろいろ考えてみたい。

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2017/03/21

寒さもスキー場も彼岸まで

 兵庫県北部のスキー場の営業も彼岸まで、というところが多い。ただ、今年の場合は雪が解けて営業できなくなるのではなく、1m以上の雪を残しての営業終了である。ハチ高原や神鍋の万場など1.5mも雪がある。標高が低く例年なら3月になると地面が露出し始めるアップ神鍋も余裕で営業できていた。三連休を過ぎても営業しているのは、奥神鍋とおじろが26日まで、ハチ北高原が4月初めまで。2月中旬、つまりおそがけに大雪が降ったことや、3月の気温の低さが影響しているのだろう。
 丹後の低山もまだまだ白い。大江山連峰など、まだスキーができそうなほどだ。下の写真は、左が千丈ヶ嶽と鳩ヶ峰、右が鍋塚。
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 京丹後市の磯砂山も久次岳も宮津の杉山も、この時期にしては白い。
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 週に一度くらいの割合で寒の戻りがある。15日には終日アラレが降ったりやんだり日が差したりという空模様だった。その前の週は少し積もった。左が3月7日で右が8日。どちらも朝の写真で、夕方にはほとんど解けてしまった。
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 山にはもう少し多く積もったんだろうけど、この時期の新雪はすぐに重くなって快適ではない。今回もそうだったけど、寒の戻りの前にはまとまった雨が降ることが多いので、山の根雪も状態が悪くなる。風の当たる雪面だとアイスバーンになる。まあ、気温が低いと根雪が長持ちするので、長い目で見ると寒の戻りがあるのはいいことだ。今天気が悪くて山に行けない分、残雪シーズンが伸びる。
 大雪の被害もいくつか見られ、ビニルハウス、カーポート(簡易車庫)、農作業小屋などがつぶれているのも見かけたが、天橋立の松並木の枝折れも大変な状況だった。枝だけでなく幹まで折れてしまったものもある。折れた枝が集められて山積みになっている様子は、洪水や地震の被災地の瓦礫を思い出させる。折れたものの皮一枚でつながってぶら下がっている枝をクレーン車を使って落とす作業をしている場面もあった。
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 そんな景色を頭に思い浮かべながら、庭木の雪吊りを外す。この雪吊りも庭園業者にやってもらっていて、結構お金がかかる。去年など雪がほとんど積もらなくて雪吊りをしなくても良かったのだが、今年は実際に役に立ったと言えるだろう。
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2017/03/06

続々冬の播磨遠征「RiverWalker再訪と加西のショートダブルトラック」

 話題は前後するが、碇高原でスキー板が折れた。山で使うメインの板、それもこれからの季節に本領を発揮するステップソールが掘られたものだ。
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 2006年4月に名古屋の店で購入。板を携えて市内の地下鉄や近鉄電車に乗って帰ってきた。本格的な使用は2007年から。思えばずいぶんいろいろな山で行動を共にしてきた。2011年シーズンを終えてから、富山の工房でステップソールの加工をしてもらい、活躍の場が広がった。
 ステップソールと言えば、ダブルキャンバーでターンには不利となる。踏み込んでも、たわみにくいのだ。そこで、元々ステップソールではないシングルキャンバーの板に、後からステップを刻んでもらった。購入から11年。本格的な使用開始から10年。昨シーズンにリーシュが切れ、今シーズンにはビンディングケーブルが切れ、続いて板が折れた。天寿を全うしたといえる。
 ところが、しばらく板を買わないうちに、ずいぶんとステップソールの板が充実しているではないか。それも、歩き重視でなく滑りも行けるようだ。私の知る限りでは、KARHUの「XCD GUIDE」というシングルキャンバーとステップソールを取り合わせたモデルが少し話題になっていたが、いまはKarhuではスキー板を製造していないらしい。
 ところが、Madshusというブランドの「ANNUM」というモデルが、かつてのKARHUの生産ラインをそのまま使ってGUIDEと外装は異なれども、中身が全く同じものを作っているらしい。ちなみに、どちらのブランドもK2の子会社とのこと。
 また、ほかのメーカーでもなかなか積極的にステップソールの板を売り出している。
 2月はじめに訪れた、姫路(香寺)のRiverWalkerという店にいくつも置いてあるようだ。通販でもいいのだが、やはり店頭で現物を見て、店主から話を聞きながら選ぶのがいい。そうだ、ビンディングも持って行ってつけてもらおう。自分でつけるとどうしてもビスが抜ける恐れがある。やはり、素人ではなくプロの技に期待しよう。ちなみにビンディングは切れたケーブルを含め、両方とも新しい物に交換。スペアのケーブル及びカートリッジも購入したばかりなので、まだ使わないといけない。
 というわけで、RiverWalkerへ。
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 元々目をつけていたのは、G3の「Stinger 78XCD」。最近は、ステップソールでもずいぶん板が太い。また、カービングの流行が一段落したのか、サイドカーブは緩くなっている。ロッカースキーにもステップソールモデルがあるそうだ。Stingerはセンターの幅が78mmと店の中のステップソールの板では一番細い。また、キャンバーが少なめで、フレックスも柔らかい。ターンのしやすさについて店主に聞けば、「普通のスキーと思ってもらって結構です」とのこと。これで決定。
 そして折れた板から外してきたビンディングをクルマから降ろし、取り付けをお願いする。うっかりヒールピースを忘れてしまったので、そちらは穴だけあけてもらうことになった。
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 ビンディングの取り付けには2時間ほどかかるとのことなので、クルマに乗って店を後にする。市川を渡って加西へ。西谷町あるいは谷町のあたりで県道23号線の北側の田んぼの中へ。農道にクルマを止める。農作業の車両を止める必要があるため、道路脇にスペースがある。今は農閑期なので誰の邪魔にもならない。
 ここで自転車を下ろす。ランドナーだが、久しぶりにブロックタイヤのホイールを装着。今日はダート走行ありだ。
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 クルマが行き交う県道23号線を左に見ながら、農道をのんびり西へ。畑町の集落の中で北に進路を変え、山間部を目指す。道はダートとなり、獣を避けるフェンスの扉を開けて山に入る。高峯神社の入り口をすぎ、ため池を越えると、木々に覆われた薄暗い道となり、本格的な登りとなる。しかし、その登りも標高差150mほど。少しだけ、南側の展望がある。峠を越えると万願寺川の谷への下り。一気に行く。
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 県道145号線まで行かず、手前の集落の中の道を南東へ。ひたすらのどかな中山間地である。
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 若井町の集落で南に進路をとり山間部へ。やはりこちらにもため池があり、その奥に福祉施設がある。それを越えると道幅は狭くなるが、こちらは舗装が途切れることはない。峠までは標高差100mほどしかない。峠から南は、加西の市街地がよく見える。日が暮れてきているので、町明かりが暖かい。
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 クルマがうるさい県道23号線の手前、集落をつなぐ農道へ左折。すぐにクルマを止めたポイントに戻る。12kmの周回を完了。
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 自転車をクルマに積み込んで、RiverWalkerへ戻る。「できあがってますよ」という声で迎えられ、板を受け取る。また、2月初めには、現金を下ろし損ねて変えなかった小物をいくつか買う。この店は、ビンディングのパーツが豊富にそろっている。普通は売られていないものだが、独自に仕入れているんだそうだ。これは頼もしい。
 満足して、店を後にする。これで今度の土日に山に行ける。
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 というわけで、先日報告済みの大江山連峰千丈ヶ嶽・鳩ヶ峰のスキー登山が新しいスキー板のデビューとなった。
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2017/03/04

続冬の播磨遠征「加美の杉原川からハーモニーパークおよび岩座神周回」

 この冬3度目の「最強」寒波でこの冬最大の積雪を観測したが、2月の雪は解けるのも早い。数日ですっかり雪解け。自転車にも乗れるようになってきた。しかしそれも平野部だけ。山に入ればまだまだ道は雪に閉ざされている。ほとんどクルマが通らない道は除雪されない。山間部の集落が平野部から孤立はしないようにされているが、その奥までは費用も手も回らない。
 ということで南へ。1月の寒波では、かなり南の方まで積雪が観測された。標高が高いとやはり雪に閉ざされている。程良い所はないか、と考えて播磨国多可町へ。豊岡市但東、福知山市夜久野、朝来市山東と京都・兵庫の府県境を何度も跨ぎながら南下。2月初めに来たときよりもずいぶん雪が減っている。道路こそノーマルタイヤで走れる状態だが、峠はどこも道の周りにしっかり雪が残っている。粟鹿山も真っ白。あそこにスキーで登ったのは2006年のことだった。あのときはまだ経験が浅く、車道を上って降りただけだった。
 遠坂峠のドライブイン(ホテル?)跡の駐車場にクルマを止めて、景色を眺める。北西方向に真っ白な山が見えた。鉢伏山つまりハチ高原スキー場だった。
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 割れた玄関のガラス扉の中は、荒れ放題。賞味期限の切れと思われるお土産の食品もそのまま。閉鎖になったスキー場の施設もレンタルスキーが何年もほこりをかぶったまま置き去りにされているのを見かけるが、同じような状態である。
 それでも中に入れば不法侵入になるので、覗くだけにしておく。
 播州峠を越えて多可町加美区へ。豊部の多可町役場加美地域局の広い駐車場にクルマを止める。公衆トイレもあるし、コンビニも隣接するいい場所だ。自転車を準備。そしてスタート。まずは杉原川をさかのぼる。国道427号線を避け、農道を行く。左手の山々の奥に、真っ白な千ヶ峰が垣間見える。
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 門村集落で左折、国道を渡って千ヶ峰の懐へ。集落を抜けると、杉原川に注ぐ三谷川の谷を行く。すぐしたに集落がある急勾配の河のためか、しっかりとした護岸がされている。
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 程なく「ハーモニーパーク」という農業公園へ。果樹園を横目に坂を登る。梅が咲いていた。紅梅と白梅だ。一機だけある風力発電の風車を過ぎると農業公園は終わり、一気に参観の雰囲気が増す。道路の脇の雪も徐々に増えていく。
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 営業のものとみられる軽自動車が追い越していき、しばらくしてすれ違った。この先集落は峠の向こうの岩座神(いさり)だが、そこまで行って何か用件を済ませてきたと言うには、あまりにも行って帰ってくるまでの時間が短い。「積雪により通行止め」ということが頭をよぎる。自転車ならなんとかなるだろうか。ここから岩座神まで2km以上ある。今の気温なら上を歩けるほど雪は堅くはない。緩んだ雪のラッセルを強いられ、靴も靴下も濡れることになるだろう。
 とはいえ、行ってみないとどうなっているのかわからない。
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 すぐに千ヶ峰三谷コース登山口。クルマが一台止まっていた。なるほど、ここが除雪の限界点という可能性もある。
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 予想通り、その先で道は雪で覆われていた。しかし、雪は薄く、クルマの轍がついている。ずっと途切れなく雪に覆われているわけではなく、日当たりの悪い所だけ解け残っている雰囲気だ。よかった、これなら行ける。
 登山口から峠までの間に残雪区間は半分もなく、しかも轍を乗車で進むことができた。
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 標高470mの峠を越えると、南斜面になるためか残雪区間はもうない。
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 すぐに岩座神の集落へ。ここは棚田の中に家が点在する傾斜地の集落。初めてここを走った2015年の暮れには本通りをたどったが、今日は集落の中の細道へ。傾斜地に平らな敷地を確保するため、石垣が組まれている。
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 岩座神を過ぎたら一気に下る。今度は多田川沿いの道だ。棚釜をすぎ多田集落の入り口で道は二手に分かれる。旧道とバイパスということではなく、どちらも集落の中を行く道だ。前回は右に行ったので今日は左へ。右側の道は商店や郵便局や信用金庫が並ぶ、多田川と杉原川の合流点まで下って国道427号線に突き当たるが、左の道は多田川を越えて東に向かい国道にワープする。
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 前回は、国道と杉原川をそのまま突っ切って杉原川の対岸の道を走ったが、今回はせっかくショートカットしたのに橋まで南下する気にならず、国道と杉原川の間の農道へ。しかしこの農道もつかの間。最後は国道を走ることになる。まあ、加美地域局はすでに見えているし、つかの間の辛抱だ。
 標高差300m強、16kmの周回完了。どうにか雪道に阻まれずに完走できた。クルマに自転車を撤収。上り下りがあると走った充足感が大きい。

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2017/02/28

2日続けて家の近くでコウノトリに遭遇

 2月25日、外出先からの帰宅途中、家まであと1km余りというところで、前方に大きな鳥が飛んでいるのを発見。全体は白で翼の先端が黒という色からしても、首がまっすぐ伸びた飛行姿勢からしても、コウノトリと思われる。しかし、小学校のある丘の方向へと飛んでいき見えなくなってしまった。
 とりあえず、近くに行ってみる。丘を回り込んで田んぼの中の細い道へ。幸いスーパーカブなので狭い道でも気にせず入れる。
 小学校のある丘の方にばかり注目していたが、ふと気づけば田んぼの中に1羽佇んでいた。間違いなくコウノトリ。ちょっと近づきすぎてしまったが、何とか逃げずにいてくれた。ここで見かけるのは初めてだ。
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 2月26日夕方、大江山連峰でのスキー登山から帰宅。自転車で一走り。昨日コウノトリを見た場所とは反対方向に、家から2kmほど走ったところの田んぼの中に2羽がいるのを発見。しかし、私を警戒して飛び立ってしまった。気づいたときには、近づきすぎていた。少し先に着陸したようなので、そちらに行ってみる。すると、いたいた。今度は、距離を十分にとってカメラを構える。おそらくつがいの2羽。そろそろ産卵の季節。どこに営巣するのだろうか。
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大江山連峰千丈ヶ嶽北面鳩ヶ峰東面滑降

 昨年2月の氷ノ山以来のすうさんとのスキー登山。なかなかスケジュールが合わずに2月の下旬になってしまったが、雪の豊富な今年は大江山連峰でもまだ十分スキーができそうだ。鳩ヶ峰と鍋塚は過去に案内したことがあるので、今回は最高峰の千丈ヶ嶽を目指す。ちなみに広義では北から大笠山、鍋塚、鳩ヶ峰、千丈ヶ嶽、赤石ヶ岳の山塊を大江山と呼ぶが、狭義での大江山は主峰の千丈ヶ嶽を指す。
 2月26日7時55分、福知山市大江町の大江山グリーンロッジへ。10人以上の団体が入山の準備中。そのグループのクルマに混じるようにすうさんのクルマを発見。何でも、後から団体が到着したのだそうだ。
 久しぶりに会うすうさんとつい話し込んでしまいがちだが、1台に乗りあわせて千丈ヶ原へ。今シーズンは例年よりも800mほど奥の鍋塚林道分岐点まで除雪されている。その限界点にクルマを停めて、入山準備。
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 8時45分、すうさんはシールを貼って、私は本日デビューのステップソール板で鬼嶽稲荷神社への道を歩く。凍てついた根雪に一昨日の夜から昨日の朝の新雪がうっすら乗っているので、ステップソールが効きにくい。杉林の木洩れ日を拾うように歩く。日が当たると雪が緩んでステップが効くのだ。無雪期にはクルマが通る道には、スキー、スノーシューまたはかんじき、そしてツボ足のトレース。おそらく前日のものだろう。スキーは下りが1人前。
 根雪は締まり新雪は薄い。つまり、ラッセルはなくトレースを追う必要はない。並んでおしゃべりをしながら歩く。徐々に高度を上げ、日当たりが増してステップソールが本領を発揮していく。
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 北原集落から上ってくる道との合流点で由良川の流域が見下ろせた。見事な雲海だ。残念ながら手前のブッシュが邪魔だ。落葉樹なので雲海があることははっきり見えるのだが、写真を撮ると見栄えが悪い。鬼嶽稲荷神社まで、もう遠くないはず。そこからの眺めに期待しよう。
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 スタート地点から70分ほどで雪に閉ざされた鬼嶽稲荷神社に到着。分岐からはすぐだった。晩秋から初冬にかけては、雲海を目当てに朝訪れる人がいるが、道路に雪が積もるまでの話。今日のこの雲海は我々2人だけのもの。ブッシュはなく展望が開けているのだが、少し時間がたって雲海の密度が薄まっている。でも、十分見事な雲海だ。千丈ヶ原を起点として千丈ヶ嶽と鳩ヶ峰を周回する人の多くは、本日の我々と逆コースをたどる。そうすると、鬼嶽稲荷神社は周回の終盤に訪れることになり、この雲海には出会えない。また、スキーの場合には、南斜面を登り北斜面を下る我々の周回の方が滑りが楽しめるのだ。
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 雲海を堪能したら、いざ千丈ヶ嶽へ。ここが夏の登山口。ここから登山道が始まる。いきなり急登のスタートで、急斜面をスイッチバックする登山道へ。急な区間は、登山道を逸れ大きく山肌を巻いていく。念のためにシールを持ってきたが、ステップソールでクリアできた。
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 尾根に乗り上げると勾配が落ち着いていき、そのうちなだらかで明るいブナかナラの落葉樹林を行く。どこでも好きなところを歩き放題だ。そのうち植林帯と落葉樹林の境界を歩き、小さな下りを経て、11時30分山頂へ。いつしか空は薄雲に覆われてきたが、展望が広がる。ただし、なだらかなピークの為、鍋塚や鳩ヶ峰の方が展望では勝る。
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 大江山連峰の峰々はもちろん、隣接している三岳、磯砂山、少し離れて高竜寺ヶ岳、依遅ヶ尾山、金剛童子山、さらには青葉山、神鍋高原のスキー場群、粟鹿山。西の方にぼんやりとかすむ白い山は氷ノ山だろうか。検証の為、いろいろな倍率で写真を撮っておく。
 で、検証の結果、東床ノ尾山の向こうの氷ノ山であった。ちなみに、右は3年前、鳩ヶ峰からの氷ノ山。
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 大江山連峰の中でもすぐ隣の鳩ヶ峰をズームアップして撮影。山頂に誰もいないと思ったが、帰宅してからパソコンで見てみると、2人の登山者がいた。
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 風もないし薄雲越しに日も差しているので、山頂の雪原に腰を下ろしてお昼ごはんの大休止。相変わらず、ずっとしゃべり続けている。鳩ヶ峰方面からかんじきのハイカー2人組が到着。先程撮った写真に写っていた人たちだろう。彼らは、東屋で休憩。結局、山で出会ったのは彼ら2人だけだった。グリーンロッジにいた団体さんはどこに行ったのだろう。
 12時20分、鳩ヶ峰に向けて北尾根を滑降開始。連峰最高峰の北斜面でしかも樹林帯。大江山一帯で一番雪質の良い斜面で2年前には深雪を楽しめた。しかし、半月の間まとまった降雪がないこの日は、しまった根雪の上に、まだ新雪のフレッシュさを保った前日朝の雪が乗っかっているがいささか薄い。板が走りすぎて、何度も木にぶつかりそうになる。
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 どうにか鞍部へと標高差150mを滑り降りた。鞍部は、地面が露出しているので板を外して歩く。ここはいつも雪が薄い。少し歩いて鳩ヶ峰への上り返し。標高差は50m程。私はステップソール、すうさんは比較的雪が締まっているのでつぼ脚で。
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 13時15分、鳩ヶ峰へと到着。いつの間にか空は雲に覆われ風も出てきた。千丈ヶ嶽で大休止を取ったのは正解だった。鍋塚はまだらに地肌が見えている。基本的に南向き斜面はもうダメ。
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 13時45分、滑降開始。鳩ヶ峰の東斜面へ。午後には雪が悪くなることが多いが、曇天のお陰かいい状態だ。千丈ヶ嶽北尾根と同じような雪質だが、障害物が内分自由に滑れる。今日一番の滑降だ。
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 しかし、楽しい時間は短い。あっという間に雪が湿って重くなる。春の重い雪に苦労しながら、杉の樹林帯を何とか林道へ。その林道を越えて、鳩ヶ峰東尾根へ。尾根の北斜面をトラバースする形で行くため、雪はいい。ただ、ひたすら斜滑降とギルランデで、ターンの楽しみはあまりない。
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 やはり楽しい時間は短く、鍋塚林道に降り立つ。1km足らず林道を滑って、千丈ヶ原にゴール。全体的に、春の雪だった。
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 さあスキーをクルマに積み込み、800m移動。例年の除雪の限界点へ。ここは鳩ヶ峰が見えるポイント。1時間前につけたシュプールを眺める。
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 そして大江山グリーンロッジへ3km移動。すうさんのクルマは、またも大勢のハイカー達に囲まれている。朝入山準備をしていた団体が、今度は下山して帰宅準備中。あっ、その中の一人が知り合いだった。聞けば、初めてのスノーシューで鍋塚へ行ってきたそうだ。どうりで、出会わなかったわけだ。
 すうさんと別れて、帰路に就く。宮津市街で雨が降り出した。家に到着してしばらくしたら雨が止んだ。まだ17時過ぎで明るいので、自転車で少し走ろう。するとコウノトリに遭遇。ちなみに前日も遭遇したのだが、別の個体かな。詳細は別の記事に。
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 そうだ、コメをつきに行かなければならなかった。自転車からスーパーカブに乗り換えて精米所へ。今日は、自動車、スキー、自転車、オートバイといろいろ乗った。さすがに疲れていて、30kgの米袋がいつもより重く感じられた。

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2017冬の思い出動画集

 2月も今日で終わり。マスコミは「最強寒波」を乱発。1月中旬「小寒寒波」、下旬「大寒寒波」、2月中旬「建国記念寒波」と最強寒波が群雄割拠。ちなみに寒波の名称は、こちらで勝手に命名。雪がたくさん降ったけど、短い冬だった。

●1月の大江山連峰鳩ヶ峰のスキー登山


●1月の氷ノ山スキー登山


●2月の播磨の峰山高原と丹後の碇高原のお手軽スキー登山


●ゲレンデスキー


●車載カメラ。前のクルマが反対車線を逆走。あわや、対向車と正面衝突。

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2017/02/25

碇高原でスキー板が折れた

 18、19日の土日にはどこか山に行く話もあったが、どうも天気がすっきりしないので見送り。ところが日曜は朝のうちは曇天で山は雲に隠れていたものの、急速に天候が回復。午後は、春のような日差しが降り注ぐ陽気となった。
 ということで、先週に引き続き碇高原へ。路面の雪はなく、道幅も広がり、20kmを30分で到着。
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 まずは手掘りステップソールの板を装着。先週のトレースがうっすらと残る牧場のダブルトラックを上る。標高差100m余りを上り、笠山三角点へ。神鍋高原のスキー場のゲレンデがうっすら確認できる。先週は雪で真っ白だった宇川河口部の平野も田んぼの茶色。そして波で真っ白だった海も、今日は青い。一通り景色を眺めたら滑降。さすがに大雪直後の雪質ではないので、先週ほどの快感はなかった。登り返してもう一度滑るほどではない。次の斜面へ。
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 随分雪解けが進んで、地面がかなり露出している。なんとか雪のつながったエントリーポイントを見つけ、そちらへ移動。斜面に向けて方向転換しようとするが、なぜか右のスキーのテールが引っ掛かってうまくいかない。おかしいな。雪面から持ち上げているはずなのに。何度かトライするとメリメリと妙な音が。これは・・・・。
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 板が折れていた。3週間前に氷ノ山でケーブルが切れた、そのビンディングがついている板。どうやら、あちらこちら限界に来ていたようだ。
 板は首の皮一枚、ならぬ滑走面のソール一枚でつながった状態。斜面には下りず、ダブルトラックを下る。下りだが板が走らない。勾配が緩く、雪も滑りが悪いのだが、ステップソールの影響も大きいようだ。特に、折れた方の右の板はキャンバーがなくなったのでステップソールが強く雪面に押し付けられている。せっかく上った標高差を歩いて下るのはつらい。笠山直下だけでも滑れてよかった。
 でも、今週は山に行かなくて正解。ショートコースの碇高原で折れたことは、不幸中の幸いだった。というわけで、すぐにクルマに戻ることができた。
 さて、板は折れたが心は折れていない。クルマの中には太い板(ファットスキー)がある。そちらに交換だ。これはステップが刻まれていないので、シールを貼る。板は太くて重いしシールだし、板の違いによる軽快感の違いを痛感する。1本目のトレースをたどっても、2本目の方が足が重い。
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 先ほどエントリーしようとした斜面の手前、一番下の斜面にエントリーポイントでシールを外す。さあ、滑るぞ。若干クラスト気味なのと、日差しで雪が緩んで比較的柔らかいということの境界線。新雪用の太い板だが、鮮度の落ちた雪でも何とか楽しめた。最後は排水溝を越えることができるかどうか。越えられなければ窮屈な場所を滑り、さらに板を担いでの歩気が少し長くなる。スノーブリッジは穴だらけだが、ブリッジがつながっている部分を選んで慎重にチャレンジ。何とか排水溝の落とし穴には落ちなかった。ただし、トレースの部分は新たに穴が開いた。
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 道路に面した雪原を歩いていると、通行するクルマがスピードを緩めてこちらを見ている様子。大雪だった先週と違って、今日は数台のクルマが通り過ぎって行った。
 クルマに戻ったが、やっぱりもう一本行くことにした。最後は、一番手前の短い急斜面。先週も最後に滑ったところだ。そして、ここは車道からもよく見える斜面。シュプールを刻んでおけば、数日はアピールできる。
 再びシールを貼ってダブルトラックを上る。すぐにエントリイーポイント。先ほど滑った斜面がよく見える。シュプールがいい感じだ。また、足元には先週のシュプールもうっすら残っている。雪はかなり薄くなって、しかもクラスト気味。ブッシュなどで凹凸のある部分を避けて、平らな雪面を選んでターンする。短い急斜面なので一瞬で、フィニッシュ。ああ楽しかった。
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 さて板をクルマに撤収して、帰路に就く。山でメインに使っている板が折れてしまった。しかもこれからの季節に活躍すべきステップソールの板。ああ、どうしよう。

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神鍋高原旧アルペンローズスキー場2017

 2000年3月を最後にクローズしたアルペンローズスキー場。当時まだ蘇武トンネルは開通しておらず、神鍋高原の最奥のスキー場だった。スキー場がにぎわっていた時代には、休日でも駐車場に空きがあり、比較的リフト待ちの少ない穴場で、何度も訪れた。
 始まりは、1965年(昭和40年)、万劫をベースとする西神鍋スキー場として開業。1971年にはリフトが設置され、 1978年に稲葉からもリフトが伸びて、二つのベースを持つ形となった。リフト3本、標高差300m余りの小規模な割に、コースは多彩。広くゆるやかなゲレンデがないので、初級者や家族連れが少ないのが穴場の理由の一つ。
 そんなアルペンローズスキー場の跡地を、毎年のように訪れている。今年は雪が十分積もっているはずだ。
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 万劫集落の外にある駐車場にクルマを停めて、雪に埋もれた集落の中を歩く。集落の一番奥から山に向かうダブルトラックの入り口が、かつてのリフト乗り場。2000年春を持ってスキー場は閉鎖され、数年前まではリフトの支柱などが残っていたが、いつしかそれも撤去されている。
 ダブルトラックをシールを貼ったスキーで登って行く。下山コースとして使われていた適度な速度でいたが走る道は、自動車が通るにはかなりの急勾配だ。砂防ダムのあるヘアピンカーブで何やら動くものを発見。大きいぞ。2頭のシカだった。急斜面をラッセルしながら登るとするが、なかなか登れずに苦労している。
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 分岐点があり、細い枝道を行く。本線は雪のない時期には使われているようだが、枝道は廃道になっているようでブッシュに覆われつつある。今年は雪が多く、細かい木が埋まっていてコース取りしやすい。
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 その枝道を抜けると、開けた雪原に出る。ここがスキー場のベースで、万劫集落からのリフトの中間駅があった。珍しい、乗車専用の中間駅だった。朝スキー客が次々に入山する時間帯には、中間駅からも乗車できるよう始発の乗り場では一つ置きに乗車するルールだった。
 平らな雪原をすすみ、あすなろゲレンデに取りつく。ここがスキー場で最も広がりのあるゲレンデ。といってもこじんまりした中斜面。標高差は100mもない。初級者にはきつめ。
 そのあすなろゲレンデを登って行く。まともに日差しを受けて雪は緩んでいる。そのうち日が傾いてクラストしてくることは間違いない。
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 あすなろゲレンデのトップが、万劫からのリフトの降り場だったところ。そして、標高差の中間点でもある。ここから上は、やや細めのコースとなる。少し登ったら、稲葉からのリフト降り場跡地となる。さらに登ると、かつてのコース内が林に戻りかけている区間。さらにそれを越えていくとゲレンデトップが近づく。
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 馬の背コースという名前ほど幅が狭いわけではなく、ちょうど中級者に面白いコース。スキー場全体が中級者向きだ。その馬の背コース最上部は北向きで、両側が林間となっているため、雪質が良い。今日もさらさらだ。
 そのやわらかい雪を感じながらいくと、ゲレンデトップが見えてきた。三等三角点「万劫」があるのだが、雪のある時期にしか訪れないので柱石を見たことはない。
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 さあ、日が暮れてきた。シールを剥がして滑降準備だ。
 登ってきた馬の背コースと反対側のススキコースを選択できる。豪快な滑降が楽しめるのはススキコースだが、出だしが南向きのため雪質の悪化が早い。今回も降雪から丸1日が過ぎ、しかも日が差していたので、すっかり鮮度は落ちていることだろう。そういうわけで、降雪直後以外に訪れたときは、馬の背コースからあすなろゲレンデとつないで滑り降りることが多かったが、結局そちらも雪がいいのは出だしだけ。降りていくほどに斜面の向きが変わり、日にさらされるようになる。逆に言うと、ススキコースは出だしが雪質が一番悪いということになる。つまり、反対方向に滑り出す両コースだが、ねじれながら最終的には万劫からのリフト中間駅があるベースの雪原に降りるのだ。トータルで考えれば、雪質はそんなに変わらないのではないか。
 馬の背コースとあすなろゲレンデの間は、二つのベース万劫からと稲葉からのリフトの降り場、頂上リフト乗り場が集まった場所。それが少しずつ離れているため、連絡コースが絡み合っている。それに引き換え、ススキコースは上から下まで一つのコースとして設計されているため、連絡コースという中だるみがない。ということで、本日はススキコースを滑り降りることに決めていた。
 その前に神鍋高原を一望。アップ神鍋スキー場のある神鍋山が高原のシンボルだ。一度の噴火でできた(単性火山)ほこっとした丘のようなピークだ。かつてスキー場のあった大岡山や、馬の背コースの向こうに三川山など高原を囲む山々、さらに東床ノ尾山など但馬の山々が遠望できる。
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 さあ、いざススキコースへ。クラストし始めているが、何とかターンをする。少し降りると、南西に法面の崖が表れるので、その側へ。日当たりが悪くいい雪が残っている。ここでターンをしていく。だんだんコースは左にカーブし東向きになっていく。午後の日差しが当たりにくくここも最上部よりは雪がいい。コース内が灌木の林になっている。落葉しているのであまり日よけ効果はなく、雪は他と同じくらい。まあ、何とか滑ることターンすることが楽しめる雪質が維持されている。
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 最後の急斜面をクリアして、ベースの雪原に降り立った。まあまあ楽しめたな。
 平坦な雪原を歩いて下山コースへ向かう。やはりブッシュに覆われつつある下山コースの出だしも、今日は雪が十分積もったこの冬は、滑りやすい。しかも、ここからは狭いコースは植林に囲まれているので雪もいい。ブッシュを抜けると快適にダブルトラックを下っていける。雪が柔らかいので直滑降でちょうどよいスピードになる。途中でコースをそれ植林帯へドロップ。雪の量と質から今日はいけるのではないかと、入山した時から狙っていた。無難なのはダブルトラックだが、やはり林間の斜面の方が楽しい。そして万劫集落の裏手に降り立つ。段々畑を下っていると、段差で転倒してしまった。
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 集落内の道路を板を担いでいると、近所に届け物をした帰り道と思しき女性に遭遇。「冬に山に入る人がいることは聞いていたんですけど…」と話かけられた。どこまで登ったかと聞かれゲレンデトップまでと答えると、感心された。かつて、スキー場が営業していた頃の話をしながら歩く。
 女性と別れ駐車場へ。どうにか、今年もアルペンローズを堪能できた。
                                         2月中旬

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2017/02/14

日本海を見下ろす碇高原で貸し切りスキー

 2月12日、未明から朝の降雪で20cmくらい新雪が積もる。ただし、前日までに積もった雪は、締まってかさを減らしている。気になるのは、屋根に積もった雪。特にずり落ちて軒下にぶら下がっている雪を落としておかないと、ひさしが折れる恐れがある。下からスコップでつついて落としておく。
 家の周りの除雪をして、今日は買い物に行きたいという家族のお抱え運転手の役目を終え、昼過ぎに体が空いた。さあ、スキーを積んで碇高原へGO。自宅から20km、30~40分でいける雪山があることがありがたい。
 まだまだ道は悪い。買い物のため市の中心部へ向かうとクルマが多くて大変。道幅が狭く路面には圧雪で、除雪車も動いている。さらにクルマが増える午後になれば、もっと大変な状況になるだろう。交差点では警察官が長い差をで信号機に積もった雪を落とし、踏切から見る線路は分厚く雪に覆われたまま。
 その点、市の外れに向かう道は、クルマが少ない分気が楽だ。雪の合間で雪かきをする人に気をつけながら集落を抜け、山間部に入る。元々雪の多い土地。平野部よりもむしろ除雪車が手厚く配備されているのか、広く道が空いている。しかし、スイス村スキー場から帰ってくるクルマが対向車としてたまに現れる。日中になって日が差してきたこともあり、除雪でできた雪の壁が崩れ突然道幅が狭まっている区間があるから要注意。
 丁字路で丹後半島縦貫林道に突き当たり、左折して碇高原へ。右折するとスイス村スキー場。日曜だがスキー場を訪れる人は少ないだろうな。
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 京都府営の牧場がある碇高原には、動物の世話をするため毎日職員が勤務しているが、日曜なので最低限の人数なのだろう。もちろん、冬はみな畜舎の中。外はひっそりとしている。日本海を見下ろす標高400mのスキーパラダイスを独り占めだ。
 雪はそこそこ多めだが、過去に経験したことがないほどの大雪と言うことはない。何せ過去には雪の深さが2mを越え、雪の回廊となっていたこともある。今日は、道路脇の雪の壁は1m未満で、私の身長よりもクルマの高さよりも低い。
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 まずは、新雪用の太い板を準備。シールを貼って、まずは板を担いで車道を歩く。未除雪の牧場作業用のダブルトラック入り口でスキーを装着。シール歩行開始。今朝の雪で表面はさらさらだが、その下は適度に締まって足首程度のラッセル。快適に歩ける。夏場は牧草地となる斜面の向こうに日本海を見下ろすことができる。比較的積雪が少ない宇川河口平野も白く雪化粧。そして、海はといえば荒れる白波。陸も海も白い。そして、波の音が聞こえる。
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 笠山の頂上台地に乗り上げると、作業用ダブルトラックは終わる。後はポコッと突き出たピークへ向け、なだらかな斜面を思いのままに歩いて行く。最後の最後だけはやや急登となりジグザグに進む。
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 さあ付いた。三角点「笠山」だ。快適なシール登行だった。風は弱い。冬の碇高原にしては穏やかだ。すぐ南の太鼓山の山頂部には風力発電の風車がゆっくりと回っている。スイス村スキー場のゲレンデは、こちらから見て太鼓山の裏側に当たり、様子はわからない。東に目をやると、京都・福井府県境の大浦半島や青葉山越しに若狭の山々が微かに見える。若狭湾に浮かぶ冠島も白く雪化粧している。北東には隣接した権現山に船津山。そして、北は荒れる日本海。そして西に視線を振ればやはり近隣の依遅ヶ尾山。兵庫県山々は逆光でよくわからない。神鍋高原のスキー場のゲレンデも確認できず。
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 北の日本海の外海も東の若狭湾も雪が降っているようで景色がぼやけている。ただし、北は黒く、東は白い。太陽の向きとの関係が原因か。碇高原に到着してからずっと雪の止み間だったが、北の黒いもやもやが近づいてくるようだ。
 板を外すと、膝上あるいは腰まで沈んでしまう深い雪に苦労しながらシールを外した。滑降開始だ。
 まずは山頂直下。表面の今朝の新雪と昨日までの少し固まった雪とのバランスがいい。気持ちの良い滑降だ。ただし、ほんの数秒で終わり。
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 ステップソールの板なら登り返すところだが、シールを貼りなおすのは面倒だ。後ろ髪を引かれながら、なだらかな斜面を滑り降りて次の斜面へ。次は、作業用ダブルトラック終点からエントリー。雪が付きにくく、草が出ているところがあるが、今日は何とかいける。ここもあっいうま。
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 そして、最後の斜面へ。ここはスキー場の中級車向けくらいの斜度が150m程続く、最も滑り応えがある斜面。ただし西向きなので先程から西日を浴びてしまった。碇高原にしては上々の雪質だが、やはり山頂直下の雪質と比べると数段劣る。斜面の向きの違いだ。
 最後は、ちょっと窮屈なところを滑らねばならないが、今回は雪が十分積もっているので楽々越えて行ける。草も、小さな木も、地面の凸凹も、遊歩道の柵も、すべて雪ノ下。幅約50cm、深さ約1mの排水溝も、分厚いスノーブリッジに覆われ暗渠となっている。
 クルマに戻る。いつの間にか行動開始から1時間半が経過していた。もう日没が近い。ステップソールの板に交換して2本目へ。作業道は先程のトレースたどってラッセルなく楽々いける。しかし、もう時間がない。山頂はおろか、1本目に滑った斜面の手前からエントリー。これは崖の急斜面。雪が付きにいが、今日は行ける。北斜面だが、一度日が当たって雪が緩むと日本海からの風をまともに受けるのでクラストするのも早い。今日はまだ日が当たる前に西に傾いてくれたおかげで、気持ちのいい雪質。一気に滑り降りた。1本目の3分の1、30分で2本目を完了。
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 夕暮れとともに先程日本海に見えた黒いもやもやがやってきた。吹雪とまでは行かないが、雪が降り出す。クルマに板を撤収して帰路に着く。碇高原で過ごした2時間、クルマが2台ほど通ったくらい。銀世界を独り占めだった。
 撤収作業の間に雪は止んだが、日没で暗くなった。私が遊んでいる間に除雪作業が行われ、帰り道は少し広くなっていた。
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 私が遊んでいる間に除雪作業が行われ、帰り道は少し広くなっていた。

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2017/02/11

すっごいよ!雪

 10日金曜朝は、うっすら雪化粧。大寒寒波の雪もすっかり雪解け。何度か小さな寒波で降るかな、という期待も空振り続きの2週間を過ごしていた。
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 その日の夕方、帰宅すると別世界。積雪40cm。家の周りの除雪に2時間近くかかった。
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 11日土曜。休日なので惰眠をむさぼり遅い気象。外が明るいのを「止んでいるのかな」と思っていたが、カーテンと障子をあけてびっくり。ものすごく積もっている。明るいのは雪の反射のせいで、しっかり降り続いている。
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 朝食を取り玄関を開けてその雪のボリュームにまたおののく。昨日の夕方除雪した痕跡がほとんどなくなっている。積もった雪を振り落としたはずの生垣にも、昨日より分厚く雪が積もっている。さらにその向こうの道路の両側にできた除雪の壁の高さも、今までに見たことがない高さだ。
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 タイヤハウスに詰まった雪が解けて車庫の中が水浸しになるのを避けるため、そして車庫前の除雪をする手間を省くために、クルマを車庫の外に止めておいたのだが、クルマの上に積もっている雪の高さが今までに経験がない。ルールに雪を積んだままでも走れるが、フロントガラスを露出させないといけない。ボンネットの上の雪をどけるのにスコップを使うのは初めてだ。
 雪を捨てる用水路が飽和状態で、家の周りの除雪に3時間近くかかった。玄関先の積雪審は60cm。道路わきの除雪の壁を図ると、なんと90cm超。除雪車に押されて盛り上がっているので10cm程差し引くべきだが、それでもすごい積雪だ。
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 除雪が一段落したら、クルマで近くを一走り。見慣れた景色のはずなのだが、いつもと違うように見える。除雪が大変なのは、我が家だけではない。
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ちなみに今回は、先月の内陸型でなく比較的沿岸部に多く積もっているようだ。京丹後市内の平野部でも軒並み60~70cm。少し山間部に行くと100cm前後になる。また、ほとんど積もらない海沿い集落にも40㎝位積もっているのも大変なことだ。
 大雪といえば、2011年1月下旬と2012年の2月上旬。ひと冬のトータルでは2012年の方が大雪だが、我が家の周りの積雪審の最高値では2011年1月末が上回る。何せ2番連続で40cmも積もった。ちなみに下の写真の左側がその時のもの。真ん中と右は今年の2月11日。今年の方が多いみたい。しかも今年は24時間でこの量。
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2017/02/10

冬の播磨遠征3「RiverWalker」

 北条町へは戻らず、田園地帯を西に進む。道は良くわからないが、GPSレシーバで方向を見定めながら行く。播但自動車道を越え、姫路市に合併した旧香寺町の中心部に出た。国道312号線を北に向かい、カヌーとテレマークスキーの店「RiverWalker」へ。21時まで営業と言うことで、訪れる順番が最後になった。
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 目的のビンディングケーブルとカートリッジのスペアをゲット。さらに、別のスキー板に付けている別メーカーのビンディングのスペアケーブルなども併せて買いたかったのだが、情けないことにお金をおろすの忘れて手持ちの現金が少ないのだ。何とか、早急に必要なものだけは買うことができた。
 店主と峰山高原で計画されているスキー場の話をする。この冬は、店の辺りでもうっすら白くなるくらいの降雪があり、当然峰山高原も例年より雪が多め。毎年それなりに積もるとはいえ、年によってはほとんど積もらないこともあると言う。そんなところにスキー場を作ることに対しては、店主も首をかしげているように見受けられた。
 さあ後は帰るだけ。生野を越えると前方の上空になにやら光が見える。竹田城がライトアップされていた。
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 さて後日、古いビンディングケーブルを交換。氷ノ山で一通り交換しているし、破損の事故現場における動揺もないので、かなり交換の所要時間を短縮することができた。
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 ワイヤーの両端は、カートリッジにねじ込む雄ネジ(ボルト)がつけられていて、その間はビニールかナイロンかよくわからないけど合成樹脂製の被膜があるのでワイヤー自身は表面に出ないようにされている。しかし、使い古したものは使ううちにワイヤーが伸びて雄ネジと合成樹脂の被膜の間が空いていた。そこから除くワイヤーの色は、赤い被膜と区別がつかないほど赤くさびていた。そして深く曲げてみると、束ねられた細い一本一本のワイヤーがプチプチと切れていく。こんな状態で山に行っていたのかと思うと恐ろしい。
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 切れる前に交換すれば、古いカートリッジがまだ使える。切れると、雄ネジがカートリッジの中から取り出せないのだ。

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冬の播磨遠征2「播磨中央自転車道」

 峰山高原を下り、大河内から市川に沿って南下。右岸の県道から国道312号線へレーンチェンジをして、福崎で東へ進路を取り、加西市へ。その中心街、北条を南東へ抜けてすぐの玉丘古墳群にクルマを止める。
 もう日が暮れかけているんだけど、せっかく雪のない世界に南下してきたので自転車に乗ろう。「播磨中央自転車道」だ。
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 しばらくは、車道脇の車歩道を行く。夕方の混雑でクルマが途切れなく行き交う。そんな道を1.6kmだけ我慢すれば、自転車道が独立し、自動車を気にせずに走れるようになる。丘の麓をまき、ため池の畔を走り、民家の脇を抜けると、田園地帯を流れる万願寺川の堤防の上を行くようになる。
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 日がくれ月が出てきた。三日月の右下にある宵の明星は、金星だ。クルマや町明かりは遠く、静かに黙々と走ることができる。
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 マフラーやネックウォーマーを着用しないので、首周りが少し冷えるが、大したことはない。また、レギンスもはかず、ズボン1枚に覆われているだけの太ももも少し表面が冷たい感じだが、筋肉を動かしているので寒いと言うことはない。フリース手袋のおかげで手はぽかぽか。
 川のほとりに佇む民家や工場の明かりが、なんとも印象的だ。3回ほどクルマの行き交う車道を渡らねばならない。
 川の畔の踏み切りを越えると網引駅が近い。そのまま線路沿いに行くとすぐに網引駅の裏手に出る。ちょうど列車が到着し、踏切が鳴り始めた。列車を見送り、小さな無人駅の正面へ。
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 さあ、ここで折り返そう。復路は輪行という考えもあり泥よけのないMTBをクルマに積んできたが、たかが片道10km程度なので往復することにした。輪行袋はクルマに置いたままだ。
 往路よりスピードが出ないのはわずかな上り基調のせい。車道との交差点は、もうクルマが少なくなっていて、すんなりと通過。
 玉丘古墳群の駐車場に戻り、自転車を撤収。さあ、いよいよ最後の、そして本来の目的地へ。

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2017/02/09

冬の播磨遠征1「峰山高原スキー散歩」

 氷ノ山でテレマークスキーンのビンディングケーブルが切れた。私が使い始めて10シーズン目、しかもネットオークションで入手した中古品だから、もっと使い込んでいるというわけだ。
 切れた方のケーブルは、携行していたスペアパーツに現場で交換した。問題は、もう片方。同じように劣化しているはず。早急に新しいものに交換せねば。そして、やはり予備を持たずには山には行けない。
 テレマークスキーを扱っている通販サイトを見てみると、姫路の「RiverWalker」がこうしたケーブル等のスペアパーツの品ぞろえが充実しているようだ。通販が手っ取り早いのだが、600円の送料がもったいないから店に行ってみようか。片道100kmちょっとあるから、ガソリン代は1500円以上もかかる。でも、ほかに目的を作ればいい。
 内陸型の今年の降雪により、久しぶりに雪に恵まれた峰山高原に行ってみよう。雪の峰山高原を訪れるのは、2011年以来6年ぶりだ。
 京都府京丹後市から、兵庫県豊岡市但東町、京都府福知山市夜久野町、兵庫県朝来市と入り組んだ府県境を何度も越えて南下。夜久野のゲンゼスキー場跡にも雪はたっぷり。天空の城として有名になった竹田城も雪化粧だ。生野の市街地にも雪が積もっている。
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 神河町の旧神崎市街地まで南下してやっと雪が無くなった。ここまで辿ってきた国道312号線を離れ東へ。寺前駅や神河町役場のある旧大河内町中心街を越えると、雪を頂いた山々が見えてきた。信号も、行き交うクルマもなくなり、小田原川の広い谷の県道8号線を快走する。ある集落の鎮守の森の日陰に入ると雪が現れた。徐々に道幅が狭い区間が現れ、登り勾配をまし、屈曲も増えてくる。山間部に入り最後の集落「上小田」へ。ここは急傾斜地の集落だ。
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 その先の道は綴ら折れとなり、県道から峰山高原への道が分岐すると、路面が雪に覆われてきた。分岐を過ぎてからもまだ険しい登りは続き、たどり着いた高原は一面の銀世界。標高900m余りの高所に、なだらかに広がる峰山高原。それまでの険しい山道から一転、別世界のようだ。暁晴山や夜鷹山などの標高1100m足らずの峰々が並ぶ。なんとなく、神鍋高原や扇ノ山の上山高原にも通じる雰囲気である。
 特に暁晴山は、無線の中継アンテナが並んだ頂まで作業道路が通じ、木々はなくて展望にも恵まれているので、気軽に登れる峰山高原のシンボルである。本日も暁晴山の頂からの滑降が目的だ。
 高原のもう一つのシンボルは、リゾートホテル「リラクシア」で、道路の除雪はホテルまでの袋小路となっている。ホテルの手前に、宿泊客以外の駐車場があるが、入り口に2,3台分のスペースがある以外、除雪されていない。ホテルの駐車場を利用させてもらってもいいかな、と思いつつ、ホテルの正面玄関のロータリーを一回りして、来た道を少し戻っていた。
 すると前方から猛スピードでクルマがやってくる。それも右側通行。本来右側通行とは、車体の一部が中央を越えて右側車線に出てしまうことを示すが、目の前のクルマは車体が完全に右側車線に入っている。つまりは逆走。さらに雪道。すぐに自分の車線に戻れるはずもなく、こちらに向かってくる挙動を見せる。
 正面衝突か!と思ったが、どうにかぶつかる前に対向車線に戻ってくれた。
 そのクルマは、20分くらい前に麓の快走区間で猛スピードで私のクルマの背後に追い付いてきたクルマだった。車幅感覚やコーナリングに自信がないようで、道幅が狭まったり、カーブになったり、対向車が来ると極端にスピードが落ち、山間部に入るとはるか後方に見えなくなった。それがようやく高原にたどり着き、神風特攻隊のような運転。技術が未熟なのに、スピードを出してしまう迷惑な存在だ。現場は対向車にとってごく緩い右カーブ。カーブになるとキープレフトの意識がなくなり内回りしてしまう。そういうクルマと衝突した場合、例えば車載カメラ等でこちらがぶつかる前に停止した証拠があれば、過失責任ゼロということになるのだろうか。だとしても、本日の予定はすべてキャンセルとなり、後日も煩わしい手続きが待っている。もちろん、怪我をするのも死ぬのも嫌だ。
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 結局、暁晴山への続く高原の遊歩道入り口のスペースにクルマを停める。スキーの準備だ。本格的な山でなく、お散歩程度なので片方のケーブルが劣化したビンディング付きの板を下す。ステップソールが彫ってあるから、作業道を歩くには最適なはず。そして、せっかくここまで来たのだから、登り返してさらにもう一本滑るのに、別の板として、新雪用の太い板も準備。
 時折日が射したり、ちらちらと雪が舞い降りてくる空模様。日に日にかさを減らしていく根雪の上に、昨夜から今朝にかけての雪がうっすらと積もっている。
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 太い板をザックに固定して背負い、ステップソールの板をはいて歩き出す。遊歩道はすでにスノーシューやスキーで踏み固められていて、ツボ足でも歩ける状態。今日になってからつけられた、新しいトレースも見られる。
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 歩いていくと目標の暁晴山が見えてきた。高原ないにはいくつもの遊歩道が張り巡らされているが、グラウンドを越えたところの分岐に背負っている板を下ろして置いておく。ここが周回の基点になるのだ。入り口かたったの500mでも、クルマまで戻るのが面倒なのだ。
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 さあ、暁晴山へ向かって遊歩道を歩く。少し登り勾配が増すが、先週の氷ノ山でほとんど役に立たなかったステップソールが良くきいて快適な歩行だ。粉状のさらさら雪と踏めば固まる雪の違いだ。
 しばらく歩くと、また分岐。一方は、頂上のアンテナの保守のための作業道。背の低いゲートで塞がれているが、遊歩道をかねているため端には人が通れる隙間が開いている。
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 杉林の中の一直線の道を抜けると、木々がなくなり開放的な雰囲気となる。前方からスキーヤーが降りてきた。女性だ。少し後を今度は男性。夫婦と思われる熟年の男女連れ。複数のトレースは往復したものかと思っていたが、二人連れだった。スキーは、アルペンの山スキーだ。作業道は勾配が緩く板が走らないので、滑るというより歩いている感じだ。
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 S字を裏返したような道をたどって、暁晴山の頂に到着。360度の視界が開ける。南側には高原が広がり、ホテル「リラクシア」が遠くに見える。クルマを停めた場所もその近く。結構歩いて来たという気持ちになる。その向こう、播磨平野はかすんで海が見えているかどうかははっきりしない。明石海峡大橋もよくわからない。
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 でも山々は割りと良く見える。西には、兵庫県最南の1000m峰「黒尾山」。そこから北に視線を振ると後山や三室山など、兵庫・鳥取・岡山の三県の境の山々が見える。氷ノ山は雲に隠れているが、その向こうの鉢伏山とハチ高原が白く目立つ。
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 展望を楽しんだら、さあ滑ろう。もちろん登ってきた道を降りても楽しくないから、雪原に飛び出す。逆S字の遊歩道を上から下に貫く、ドル($)記号を裏返したような奇跡を描くイメージだ。
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 根雪はそこそこ締まっていて、その上にうっすら積もった新雪がいい働きをしてくれて、気持ちよくターンができる。あっという間に、逆S時の上半分のショートカットを滑り終え、遊歩道に降り立つ。
 次は下半分のショートカットして下り、板を変えて上り返す予定だったが、なんだか遊歩道を歩くのが面倒になってきた。この下は途中から藪になるので滑ってもさほど楽しくない。予定を変更して、そのまま山頂へと遊歩道を登り返す。ステップソールの板はシールの着脱が不要なので、すぐに行動を起こせるのがうれしい。
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 そして、山頂手前までのわずかな遊歩道歩きで、こんどは「山笑う登山口」方面へ。今度は北東斜面を滑降するのだ。出だしのほんの少しだけオープンバーンだが、すぐに藪に入る。林間の北向き斜面ということで、予想通り新雪が南斜面よりも残っているが、太い板を使うまでもない。少し迷走しながらも地形を見極めながら降りて行く。藪はいつしか杉林となり、切り倒された丸太や切り株ででこぼこした雪面となった。怪我をしないようゆっくり慎重に下る。
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 ダブルトラックに降り立ったので、素直にそれをたどる。6年前にはもっと雪が多くて、ショートカットして自由自在のコース取りができたと記憶している。
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 暁晴山とその北のピークとの鞍部に下りたら、南東方向に少し進み峰山高原と砥峰高原とを結ぶ散策路に出た。6年前には、北方の砥峰高原方面に向かい防火帯を滑った。防火帯とは森林火災の延焼を防ぐために帯状に伐採された部分である。ホテルリラクシアを正面から見るとその奥の山が逆モヒカンのように伐採されている。全長1km強、標高差160mのまるでスキー場のゲレンデのようなオープンバーンは、なかなか滑り応えがあった。
 けれども今日はこのままスタート地点へ引き返す。片方のビンディングケーブルはいつ切れるかわからない古いものなのだ。「工事中通行止め」のバリケードがあったが、雪に埋もれて工事は中断しているので、気にせずに行く。そのバリケード自体も半分以上埋まっている。
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 その工事だが、なんとこの峰山高原にスノーパーク(スキー場)建設の計画があると言う。雪もお客も激減しているこのご時勢に、である。リフトが2本、コースは3本。今年の12月完成予定とのことなので、来シーズン以降はこうしたのんびりとした散策はできないかもしれない。
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 分岐の太い板を回収し、ラスト500m。若干下りなので往路よりは一歩一歩が進むが、基本は歩きなのであまり楽しくない。うっすら積もった新雪の下は、むき出しの路面のようで、雪の厚い所を選んで歩かねばならない。
 やがてクルマに戻る。板をクルマに積み込み、ウェアや靴をかえて、次の目的地へ。

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2017/02/01

酉年の初スキー登山は大江山連峰鳩ヶ峰

 ※氷ノ山と報告が前後してしまいました。

 大寒寒波では、京丹後市よりも宮津市や与謝野町加悦などに多く雪が積もった。大江山連峰には十分に雪が供給されていることは間違いない。
 雪不足および客不足に苦しんで今シーズンより閉鎖となった大江山スキー場のある普甲峠は厳しい雪道。どうにか除雪はされているものの、元々狭い道幅がより狭くなっている。峠の南側の2車線区間に降りても、道が開いているのは、よくて1.5車線。離合困難な1車線区間も当たり前。交通量が少ないのが救い。除雪車が動いているから、帰りは少し改善していることだろう。峠からは雲海の名残を見ることができた。
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 大江山グリーンロッジの前を通過し千丈ヶ原へ。府道の普甲峠でさえ大変な状況なのだから、行き止まりの千丈ヶ原への道はもっと苦労すると思われたのに、幅は狭いがなぜか路面はきれいに除雪されている。さらにいつもの除雪の限界点である千丈池の少し奥を過ぎても、ずっと除雪されている。とうとう、鬼嶽稲荷神社方面と鍋塚林道の分岐点までクルマで入ってきてしまった。例年より900mも奥まで侵入できた。
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 その分岐のところでクルマが方向転換できるように除雪されているが、一台の軽自動車が鍋塚林道入り口を塞いでいる。200m程バックして、広いところで方向転換して、また200mバックして分岐を鬼嶽稲荷神社方面に入ったところに駐車。後からクルマが来ても、軽自動車がいなくなったら方向転換できるスペースは作っておく。
 鍋塚林道にはスキーのトレースがある。軽自動車の主だろう。車内に残された細いクロスカントリースキー板とクルマに貼られたステッカーから、なんとなく誰かわかってしまう。
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 いくつかのコース案が頭にあったが、トレースを利用させてもらうことにして鍋塚林道へ。今日は新雪専用の太い板を使う。いつも大江山連峰ではステップソールの板を使っているが、今日は久しぶりにシール登行だ。トレースのおかげもあって、快適に歩いていける。
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 林道をショートカットできる区間に到達したが、トレースはそのまま林道を進んでいる。帰宅してからネットでわかったことだが、先行者はステップソールの板だった。どうしようか迷ったが、板は太いし、シールだし、ショートカットしてみよう。
 シールのおかげで勾配もクリアできるし、板が太いのでラッセルも苦にならない。ああ、シール登行もなかなかいいもんだ。
 再び林道に戻り、滑降コースの候補のひとつ鳩ヶ峰東尾根の状態を見る。うん、雪は十分ある。
 先行トレースをたどって2つ目のショートカットポイントへ。もう迷わず、トレースと分かれてショートカットを選ぶ。雪が豊富なので、倒木、切り株、落ちた枝、幼木、岩、小さな沢、地面の凹凸などすべて覆い隠されていて、自由に歩ける。
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 ただ、シールに雪がくっついてしまう。ザックからシールワックスを取り出して塗るが、すでにシールが濡れてしまっていてあまり効果がなかった。本来はワックスによって水分をはじくのだが、シールにしみこんだ先に水がワックスを寄せ付けてくれない。
 ショートカットを終え林道に出たら、先行トレースはなくなっていた。帰宅してからネットでわかったことだが、先行者は標高711mピークの南東尾根の南斜面を滑り降りていた。
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 ここからは鳩ヶ峰と千丈ヶ嶽を眺めながら歩く。山頂付近に立木がほとんどない鳩ヶ峰は、青空をバックに白く輝いている。
 小さなショートカットをはさんだ林道歩きの末、大江山連峰の主稜線に到着。ここまで鍋塚林道が通じていて避難小屋とトイレがある。西側の加悦谷(野田川流域平野)は真っ白。その向こうの竹野川流域の平野部もやはり真っ白である。
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 さあ、鳩ヶ峰に取り付く。北斜面なのでいい雪質だ。シールに雪が張り付いて重かったが、どうにか鳩ヶ峰登頂。山頂にはスノーシューの跡。千丈ヶ嶽方面から来て、そちらに戻っている。
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 磯砂山、鼓ヶ岳、金剛童子山、依遅ヶ尾山など生活圏から見ている山々を確認する。神鍋のスキー場は逆光でよくわからない。反対の青葉山はくっきり。鍋塚の右手に目を凝らすが、やはり加賀白山は今日も見えない。これは条件が整わないと難しい。
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 千丈ヶ嶽と赤石ヶ岳の間に三岳山が覗いている。千丈ヶ嶽も本日の候補のひとつだったが、鬼嶽稲荷神社に至る車道が長く、また神社から山頂までも急登で厳しい。今日のようなラッセルならなおのこと。ただ、千丈ヶ嶽の北側斜面、つまり鳩ヶ峰側斜面は、北向き、林間、最高峰と三拍子そろって大江山連峰で一番雪質がよく、今日などは最高だろう。
 シールを剥がし、パンを食べてさあ滑降だ。雪質がいいのは上ってきた北斜面だが、斜度が緩くてあまり滑り応えがないし、そちらだと多少林道を歩いて下らねばならない。
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 やっぱり、東斜面がいいが、どうも日差しが強すぎた。実際東斜面を滑ってみるとクラストしている。これはどうにもならないと、北斜面へとトラバースするが、少し北向きになったところでかなり雪質がよくなった。ちょっとした斜面の向きに違いによる日当たりの差。これなら滑り降りられそうだ。というわけで、東斜面の北よりを滑降。
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 植林地帯まで降りたら、雪質がさらによくなるかと期待したが、一度木の枝に積もった雪が落ちていて雪面が硬い。あまり快適ではない。そうするうち標高600m付近を水平に巻く林道に到着。いつもは林道の法面の段差を降りるのに苦労するのだが、今日は雪が多くて難なく林道に降り立つことができた。
 林道を越えて、鳩ヶ峰東尾根に入る。東尾根を少し下ってから鍋塚林道に渡り(登りで東尾根の状態を確認したポイント)、その林道を少し歩いて上り711P南東尾根南斜面を滑る案もあったが、今日の日差しで雪質は悪化しているだろう。このまま鳩ヶ峰東尾根を下る。ここは尾根の北斜面をトラバースして降りるので、雪質はいいはずだ。自由にターンをする楽しみはなく、延々と斜滑降なのだが。
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 滑ってみれば、大江山連峰としては最上級のふわふわの雪質を感じることができた。これはこれでよかった。
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 登りでは2kmと長かった鍋塚林道を200mしか歩かずにクルマに戻る。先行者の軽自動車はすでになく、少し下に別のクルマが止まっていた。鳩ヶ峰山頂にあったスノーシューのトレースの主ということはないだろう。鬼嶽稲荷神社への道にトレースはないし、鳩ヶ峰まで到達したら鍋塚林道で下山したほうが断然近い。しかし、あのトレース、与謝野町からのものだとしてもなかなかの長丁場だ。双峰、千丈ヶ嶽経由でなく、山河から鳩ヶ峰に直登したのかも知れない。この雪の多さならそうしたコース取りも可能なのかもしれない。
 さあクルマに乗り込んで帰路に着く。いつもの除雪の限界点からは鳩ヶ峰が良く見えるのだが、今日はうっかり通り過ぎてしまった。自分が描いたシュプールを遠望するのが最後の楽しみだったのに。
 普甲峠の道は往路よりも広がっていて、無事に帰宅。

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2017/01/30

快晴の氷ノ山三ノ丸

 「これだけ登ったらええ道ができとるわ。」
 登山届を記入しているわかさ氷ノ山スキー場のスキーパトロール詰め所。声を発した隊員の手元を見ると、分厚い登山届の束。大雪の後の快晴の土曜。たくさんの人が入山しているようだ。やっぱり、今シーズンの一番の雪山日和になる可能性が高いよね。
 途中の若杉峠からかつての新と倉スキー場のベース、道谷集落辺りは厳しい雪道だった。そして、わかさ氷ノ山スキー場への道も雪により車線が狭まり、奥の無料駐車場に入ろうとしたら対向車としてマイクロバスがやってきて、駐車場からゲレンデへ向かう歩行者がいる路面凍結した急斜面をバックで延々下る、そんな恐ろしい運転をさせてもらったため、結構時間がかかった。マイクロバスは宿泊施設のもの。団体客をゲレンデまで送ってきたようだ。道幅が広くなったところで離合。凍結路面の坂道発進は、四輪駆動が心強い。もう少し下の有料駐車場入り口までは、凍結防止に山水が路面に流されている。事故を起こすリスクの低い有料駐車場を選ぶほうが賢明なのかもしれないが、今回のタイミングが付いていなかっただけだという風にも取れる。まあ、時間が多少かかっただけで住んだのが幸いだ。ついでにいうと、駐車場からゲレンデまでの歩きも、つるつる路面に難儀した。
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 10時、リフト乗車。2本乗り継いで、標高1200mのゲレンデトップへ。大山、扇ノ山の展望を楽しみながらスキー板をザックに固定してつぼ足登行の準備。
 降雪は25日水曜の未明まで。雪の供給が途絶えて今日で4日目となる。もう新雪を楽しむ状況ではなかろう、ということで本日は太さがノーマルの板。ステップソールのため、シールを持ってこなかった。しかしこれ判断ミス。大量に積もった雪は、まだ十分に踏み固められていなかった。もちろん、今日たくさんの人が登っているが、みなスノーシューやかんじきを付けている。また、スキーのシール登行のトレースもあるが、急登のため振幅を大きくとって斜面を巻いて登っている。つまり、トレースがばらついているため踏み固めが緩く、つぼ足では深く踏み抜いてしまう。ただでさえ急登なのに雪の深さが加わって、一歩を踏み出すのに大きく足を上げねばならない。中途半端に固まっている雪は、体重を乗せるとす部ずぶと沈んでしまい、また次の一歩を大きく持ち上げなければならない。少し勾配が緩むと、スキーのトレースもスノーシュー等の直登ラインに重なり、そういうところではつぼ足でもほぼ踏み抜きがなくなる。しかし、トレースが分かれると、どちらが固められているかを判断せねばならず、結果的にはどちらも踏み抜いてしまうのである。
 やせ尾根区間に到達したところで板を装着することにする。例年よく雪庇ができるところだが、今年はまだ積もりたてのせいか雪庇がない。
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 準備をしていると前方からスキーヤーが滑り降りてきた。女性のアルペンスキーヤーだった。
 やせ尾根区間は比較的平坦なのでステップソールで十分クリア。しかし、その先の登りで苦戦。頂上台地はすぐそこなのに、勾配がきつすぎてトレースをたどれない。緩やかなライン取りで行くか、階段登行ということになるが、いずれもラッセルとなる。かんじきのハイカーが追い越していった。少し遅れて背中にスノーボードを背負いスノーシューをはいた山ボーダー。スノーボードのデザインに見覚えがある。そして、少し先でハイカーと合流。駐車場で隣のクルマだった二人組みだ。片方はスノーボードあり、もう一人は滑走用具なしという、変わった取り合わせだ。
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 樹氷がすっかり落ちた林を抜け、何とか広大な頂上台地へと出た。青い空と白い雪原のツートンカラーがまぶしい。笹はほとんど埋まっている。うねった雪面は猛吹雪のなごり。雪はおおかたクラストしているが、くぼみは粉雪が吹きだまりとなっている。押さえつけても固まらない粉雪には、ステップソールは全く効果なし。登りが少し急になったら大きな振幅で左右に振るコース取りが必要となる。ソール全面を覆うシールなら大した苦もなく行けたのだろうに。
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 単独のスノーボーダーが下っていき、また板を背負った単独のスノーボーダーが追い越していった。結構スノーボーダーが多い。
 随分時間をかけて三ノ丸に到着。ああ、長かった。シールを持ってこなかったのは大失敗だった。でも、ここまでくればもう大丈夫だ。
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 氷ノ山山頂が手にとるように見える。カメラでズームアップすると数人が山頂にいるのが確認できた。扇ノ山にもたっぷり雪が積もっているようだ。あちらはスキー場などないので、春になって除雪が進むまで、山頂を訪れる人はかなり少ない。
 氷ノ山の右手には蘇武岳そして但馬妙見山。妙見山の右肩の奥には、遠く加賀白山が位置しているのだが、もちろん見えない。白山が見えるのは限られた好条件の日だけだ。昨年2月11日に来た時には朝のうちは見えていたのだが、残念ながら到着した時にはもう霞みに阻まれていた。
 南に目を転じれば、三室山に後山。東方に視線を向けていくと沖ノ山東山の間に那岐山が覗いている。伯耆大山は随分かすんできた。天気は下り坂だ。
 さあ、以降。ワサビ谷を目指し、山頂方面の稜線を滑り出す。稜線上の小ピーク、「ワサビ谷の頭」の手前と奥のどちらを降りても途中で合流し、それをひっくるめてワサビ谷なのだが、いつもどおり奥、つまり山頂側へ。
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 ワサビ谷の頭を超えた下りで少しスピードを上げてターンを試みる。クラストした雪面に板を取られてあえなくクラッシュ。板のトップが雪に刺さって前方に投げ出される。片足が開放され軽くなった。あれっ!?
 斜面を少しずり落ちた体が静止し、嫌な気持ちを感じながら雪面に刺さった板を振り返る。
 ビンディングケーブルが切れている!
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 ビンディングが損傷したのは右の板。ちゃんと足に付いた左の板を外し、数メートル這い上がって雪に刺さった板を回収。その間考えたことは2つ。ひとつは「確かザックにビンディングの補修キット(スペアパーツ)が入っているはず」、もうひとつは「直らなかったら、つぼ足で下りよう。頂上台地はクラストしてトレースは固まっているし、その下は踏み抜いても下りはさほどきつくないだろう」。とにかく、落ち着け、大丈夫、自力で下山できる。怪我はしていないし、遭難もしていない。
 ザックの中には確かに補修キットがあった。ケーブルとヒールピースとそれをつなぐカートリッジが1つとあとはビンディングを板に固定するビス。カートリッジが壊れることはないのだが、ケーブルはカートリッジの端で切れるので、中にケーブルの切れ端が詰まって取り出せない。そのためにカートリッジのスペアが必要になるわけだ。もう片方のカートリッジは、外に出ているケーブルをねじって取り除き、新しいケーブルで使うことができる。だからスペアのカートリッジはひとつでいい。ケーブルの取り回しのためにいったんビンディングを外さねばならない。ドライバーを持ってきていてよかった。
 どうにかスペアパーツへの交換が完了した。ついでに、その場でパンを食べる。初めてのトラブルにかなり動揺したが、どうにか滑降できそうだ。
 この氷ノ山で、「ビンディングが板から抜けてしまった」と板を背負って下山してくるスキーヤーに出会ったことがある。また、伯耆大山では七合沢を滑り始めた直後にクラッシュ。骨折してヘリコプターに収容されたスキーヤーもいた(私の少し前を歩いていた同行者がクラッシュシーンを目撃)。明日はわが身、でもなんとしても避けたい。雪道・路面凍結を乗り越え、踏み抜きを耐え抜いてここまでやってきたのだ。快晴の雪原歩きは気持ちよかったけど、やはり滑ることを目指して登ってきたのだ。
 ワサビ谷のドロップポイントまで滑り降りる。スキーやスノーボードのたくさんのシュプールが描かれている。谷の上部は日当り風当たりともによく、予想通りクラストしている。右のビンディングのワイヤーが切れたと言うことは、左も同じように劣化が進んでいると考えてよいだろう。クラッシュして用具に負担がかからないように、斜滑降キックターンで高度を下げて行く。時々吹き溜まりの比較的さらさらな雪に遭遇する。高度を下げていくとさらさら雪の割合がまして行く。何とか慎重にターンをできるようになって行く。東側に開けた谷なので、左岸側の法面が北向き斜面で比較的雪質がよい。そいう行った雪面をたどって、滑り降りて行く。
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 道具の破損というショッキングな出来事の後で、どうしても今日は消極的にならざるを得ない。とにかく雪深い谷に滑り降りたということは、つぼ足では身動きが取れない。
 来た道を引き返せばつぼ足で移動可能だったわけだが、やはり登ったら滑りたいのがスキーヤーの心情である。リスクにおびえ、思い切った滑りができなくても、やはり滑るということは楽しいのである。
 高度を下げ、谷が深まってくると雪質がよくなってくる。もちろん降雪直後とは比べ物にはならないが、それでも足の裏にふわふわな感触を感じることが何度もあった。
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 後方からスキーヤーが降りてきた。ロッカーのアルペンスキーだ。そして、「ワサビ谷のほうがいいですねぇ!」どこと比較してかと聞けば、仙谷という。仙谷がどういう風に良くなかったのか聞けば、がりがりのアイスバーンだったそうだ。仙谷を滑りかけて戻ってきたのか、下ってからもう一度リフトに乗って登り2本目の滑降なのかは、聞かなかったのでわからない。「テレマークスキーでバックカントリーってすごいですね」と言い残し、下っていった。
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 1週間前は埋まりきっていなかったという報告があった沢も、大寒寒波のおかげでしっかりとしたスノーブリッジができてコース取りは自由自在。
 杉林に入ったら、高度を下げずにトラバースしてイヌワシゲレンデ最上部を目指す。が、やはり少し高度を下げてしまって少し上り返しをすることになった。こういうときにはステップソールが役に立つ。
 イヌワシゲレンデに出たらもう安心。最後はゲレンデ滑走だ。雪の供給が途絶えているので、がちがちのハードバーン。ここで道具が壊れても、十分歩いて下れる雪面の固さだ。
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 イヌワシゲレンデに出たらもう安心。最後はゲレンデ滑走だ。雪の供給が途絶えているので、がちがちのハードバーン。
 路面凍結は解消し、安心してクルマに戻った。パトロールに下山報告をして帰路につく。ばんしゅう戸倉スノーパークは、ゲレンデから離れた駐車場にもたくさんクルマが止まる大盛況。でも、振り子沢ゲレンデの真ん中にクラックができていた。一気に降り積もりすぎたようだ。
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 雪に埋もれた道谷集落から若杉峠を越え、養父市八鹿町内の円山川右岸道路の一部が土砂崩れで通行止め。往路ではなぜ通行止めなのか知る由もなかったが、帰路に大屋の電光掲示板でわかった。左岸の国道9号線の対向車線は大渋滞。ハチ・ハチ北と神鍋の二大ウィンターリゾートから京阪神に帰るクルマが集結しているのだ。国道312号線単独区間に入ると、我が北向き車線も渋滞となった。下小田橋で出石方面に逃げる。その後は順調走り、帰宅。いろいろあったけど、楽しかった。あ、そうだ、スペアパーツをまた買っておかないといけない。

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大寒寒波

 1月中旬の土日を襲った小寒寒波から1週間、またも週末に寒波が来るという予報が出た。しかし、大寒初日の20日は小雨がぱらつく程度。日が差して虹がでる空模様。土曜日曜も曇り時々雨。金曜土曜の新たな雪の供給を受けて、日曜には大江山連峰に繰り出そうかと頭の中に思い描いていたが、それはきれいさっぱりあきらめた。
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 代わりに週明け月曜火曜に強い寒波が来る予報に期待。
 そして、23日、なかなか歯ごたえのある寒波がやってきた。明け方よりも、朝から日中によく降り、先週の積雪が残っているのでしっかりと積もっていった。大雪警報が発令され、京都丹後鉄道も運休。
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 翌24日も、鉄道は復旧したものの警報は続いた。
 前回ほどではないが、今回も沿岸部には雪が少ないパターン。雪が多いところでは、道路の除雪が追いつかず、道幅が狭く離合困難な状態が、数日尾を引いた。
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 街中の木にも雪が積もり、まるで雪山で見かける景色のよう。信号機も雪に覆われている。
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 しかし、大雪もここまで、26日は快晴。27日以降は3月並みに気温が上昇し、雪はみるみる溶けていった。
 大寒はあと数日で、金曜が節分、4日土曜から立春となる。もう寒波は来ないのかなぁ。

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2017/01/16

冬が来た

 満を持して、今シーズン最強といわれる寒波が到来した。
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 寒波の底といわれた1月14日土曜日、午前中宮津市へと出かける。この日、朝昼晩、それぞれ異なる場所の三者択一で行先を選ぶことができる要件があり、午前中の宮津を選択。朝起きた時には雪は小康状態であり、また宮津には交通量の少ないルートを通っていける。雪のない状態とさほど変わらない所要時間で宮津に到着。
 昼に用事が終わり、友人の喫茶店で昼食。激しく雪が降っており、クルマのうえにもどんどん積もっている。時間を追うごとに道路状況が悪化していくので、とっとと帰路に就く。宮津市内は圧雪ででこぼこの路面となり、ノロノロ運転。市街地を抜けても阿蘇海を回り込むあいだずっとその状態。間近の天橋立すら見えない雪の降りよう。
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 岩滝から、山間部へと入る。こちらが京丹後市北部と宮津市街とを結ぶ最短ルート。本日の往路でも利用した。ただし、標高200mの山越えルートなので雪が降った時には避ける人が多く、今日は交通量がかなり少なめ。ふもとの谷あいでは雪の重みで竹が頭を垂れているが、通行は可能。圧雪路面だが、交通量が多い道のようにでこぼこにはならず、比較的平らなので走りやすい。ちなみに、道幅が狭いのは一部のみ。
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 圧雪のでこぼこ路面が発生する原因は、クルマの通行によるもの。それも、発進時の駆動力、停止時の制動力、カーブの時の遠心力などタイヤから路面に力が働いたところが局所的にすり減り、でこぼこが発生する。まずそのでこぼこは、交差点等クルマが停止・発信・右左折するところで発生し、交通量が多ければ信号待ちの列が伸びてでこぼこ区間も延長する。そして交差点の多い街中全体がでこぼこ道と化す。
 そういう道ではハンドルを取られ、グリップも悪くなるし、雪のために道幅が狭まっている状態であることも加わり、離合困難となって交通障害となる。
 その点、前述の山間部など、信号も交通量も少ない道路はかえって有利となる。また、今回は未明の除雪の後の降雪によるものなので当てはまらないが、街中よりも郊外の道の方が除雪がきれいに行われる。雪を捨てやすいということもあるが、上下水道やガス、消火栓などのマンホールのあるなしが大きい。市街地はそうしたマンホールのふたに引っ掛けないようにするため、雪が路面に残ってしまう。マンホールのない郊外の道なら、きれいな除雪がされるというわけだ。
 ただし、山間部の道はカーブが多く、普段よりもスピードを控えめにし、慎重に通行する必要がある。下りは特に要注意だ。減速・加速のためそこだけ雪面が削られでこぼこが発生していることもある。交通量が少なくても、ゼロではない。センターラインを割らないことにも気を配らないといけない。
 また、雪による倒木やクルマの立ち往生などが発生して片側通行となった場合、渋滞が発生することがある。そうするとたくさんのクルマが発進・停止を繰り返し路面がでこぼことなり、さらに渋滞が広がる。大雪の際に一晩以上続く渋滞、立ち往生が発生する時のパターンである。傾斜があれば制動力や駆動力が強くなるのででこぼこができやすい。
 実際には、山間部の道は交通量が減り、さらに雪が降ると運転のうまいドライバーのクルマに限定されるので、自分がしっかり運転していればさほど危険はない。
 さて、そういうわけで、山間部に入ってからすいすいと走り、雪のないときとさほど変わらない所要時間で帰宅。ちなみに、山間部はスピード控えめでもそんなに所要時間には影響しない。ほとんどそれまでのクルマの多い平野部でのノロノロ運転の影響だ。
 夜から翌15日にかけ、季節風が強まり雪雲は丹後半島を通り越して内陸部に到達したようだ。丹後の積雪量はさほどでもなかったが、丹波高地を越えて京都市内まで雪が降り、積雪した。
 夜間の降雪のため16日朝は若干の積雪があったが、日中には止み間がありどちらかというと溶ける方が勝り雪はボリューム減。近畿北部のスキー場は金土日のいずれかにはオープンとなった。

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2017/01/11

だけど今度は本気みたい

 ようやく本格的な冬が来たのだろうか。11日朝、湿った雪で白くなった景色も昼前には雪解け。断続的に降るのは雪でなく、みぞれやあられ。
 寒波はいつも待たせるだけで、スキー場はいつも待ちくたびれて。それでも冬は冬。
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LEDの明るいライト

 日本人により青色LEDが開発されて20年が経過したが、自転車乗りも大変な恩恵を受けている。赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の光の三原色がそろうことにより、白色光を出すことができるようになった。これにより、省電力で明るい照明が世に出回り、大量生産によって価格も下がってきた。文字通り世の中が明るくなり、それが評価され2014年に3人の日本人がノーベル賞を受賞した。
 単三乾電池2本で280ルーメンのLEDライトの威力は強烈で、対向の自動車は確実にライトを下げてくれる。かつては歩行者や自転車に対してはハイビームのまま向かってくるクルマがいたが、どうやらライトが明るいと反射的にライトを減光するらしい。そして、右折の対向車や脇道から出てくるクルマもしっかり待ってくれる。
 このライトは自転車だけでなく、スーパーカブでも有効だ。もともとスーパーカブのライトは暗く、街灯がなく曲がりくねった山間部の道の夜間走行は、本当に怖い。でも、自転車用のライトのおかげで格段に安全になった。
 ただし、明るいライトは電池の減りも早い。もちろん充電式のニッケル水素乾電池を使っている。
 AmazonでUSBで給電する自転車用ライトを見つけた。なんと1200ルーメン。しかも、小さくて、1000円を切る安さ。モバイルバッテリーを併用するようだ。
 さて、スーパーカブには、シガーソケットおよびUSB電源を設置している。ということは、電池の消耗を気にせずに明るいライトを使える。
 注文手続きの途中、送り先住所をローマ字で表記する画面が来た。今までにこんなことはなかった、と思ったら発送元が中国だった。なるほど、ユーザーレビューに「微妙に違うものが届いた」といった書込みがあるのがうなずける。もちろん、その出品者を避けたことは言うまでもない(いずれの出品者も中国)。注文した翌日に発送されたが、年末年始を挟んだこともあって、届くまで2週間を要した。
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 「1200ルーメンはない」というユーザーレビューもあったので、その点は覚悟の上。上記280ルーメンのライトよりも明るいようだから、十分だ。ちなみに、左の写真が今回購入したライト。右が、280ルーメン。
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 ただし、ライトを取り付けるクランプバーがウィンドシールドの手前にある。つまり、ライトの光がウィンドシールド越しになってしまう。せっかくの明るさが少し減ってしまうのと、反射により見にくくならないかと心配。今後工夫しようと思う。
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 せっかくなので、自転車でも利用しようと思う。
 私は、持っている道具をできるだけいろいろな場面で使いたい主義だ。脱線するが、例えば動画撮影のアクションカメラは、スキーでも自転車でも自動車でも使う。GPSレシーバーはそれに歩きが加わる。使うために買った道具なのだから使わないと損。価格を越える利用価値を見出してこそ、それを手に入れた甲斐があると言うもの。
 かつては、USB端子の付いた自転車用ダイナモもあったが、残念ながら今は生産されていない。よって、USB給電のライトを自転車で使うには、モバイルバッテリーの出番となる。4年前に買ったモバイルバッテリーをつないでもライトが反応しない。実はこのモバイルバッテリーは、「スマートフォンが充電できる」とされているもの。私はスマートフォンを持っていなくて、活用できているのはiPodのみ。それ以外、つまりガラパゴス携帯電話、タブレット端末、デジタルカメラなどUSBで充電できるはずの機器をつないでも、全く反応しない。どうやら電圧が少し不足しているようだ。
 ちなみに、スマートフォンは5V、ガラパゴス携帯電話は5.4Vが充電の電圧。おそらく、私の持っている機器の中ではiPodだけがスマートフォンと同じ規格なのだろう。
 買った当時、友人のモバイルバッテリーを借りて試しても同じ結果だった。結局、あまりモバイルバッテリーを活用できていなかった。忸怩たる思いである。
 でも、ネットを検索してみても、モバイルバッテリーではガラパゴス携帯電話を充電できない、という報告はない。電池の消耗が激しいスマートフォンの普及によってモバイルバッテリーの需要も増大し、つまり軽量化、大容量化などの製品開発も進んでいるようだから、思い切って新しい物を買ってみた。Amazonで夜に注文したら、翌日夕方に届いた。
 大きさはほぼ同じだが、容量は4年前に買った物の倍の10000mA。そして、iPodはもちろんガラパゴス携帯電話もタブレット端末もデジタルカメラも充電できた。そして、USB給電のライトも強力な光を放った。
 ガラパゴス携帯電話で十分なのだが、もう生産中止の流れ。いつかスマートフォンに帰る日が来るだろうから、古いモバイルバッテリーも保管しておこう。
 こうしてどんどん物が増えてしまうのだった。

追記
 左:スーパーカブのライトのみ、右:280ルーメンの自転車用ライトを照射
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2017/01/10

雪はいつ降るのか

 ほとんど毎日雨が降る。が、一日中降り続く日は少ない。年末年始や成人の日により休日も多いので、止み間をついてよく自転車に乗っている。
 路面が濡れているので水撥ねを心配しないといけない。自分の水撥ねは、しっかりした泥よけの付いた自転車、つまりランドナーを選べばよい。ほとんど自転車も人間も汚れない。クルマなど他者からの水撥ねを防ぐには、クルマの通らない道を選べばよい。田舎なので、農道などをつなぐ。時折通り雨に出会うが、上半身のみではあるが合羽を着ている。弁当忘れても合羽忘れるな。いや、ウィンドブレーカーの役割を兼ねて初めから合羽を着ているのだから忘れる心配はない。
 合羽ではないウィンドブレーカーも持っている。合羽と比べ最大のメリットは、コンパクトに収納できること。しかし、冬には意味がない。気温が低くて脱がないから。温度調整はインナーウェアおよびミドルウェアを着脱すればいい。とにかく防水機能があるアウターを着るのは当たり前のこと。
 下半身は、化繊は水を含まない化繊のズボン。ペダリングの抵抗となるのでレギンス等ははかない。動けば脚の筋肉が発熱するので、日常的にはかない。自転車に乗ろうと思う程度の雨なら濡れても平気。走っている間は寒くない。スーパーカブの時にはひざ掛けがある。
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 雨予報が出ていなくても降る。「京都府北部」といっても、私の住む丹後半島と福知山盆地で、同じ気候にならないことはざらである。特に冬場の違いは顕著で、日本海からの季節風がまともに当たる丹後半島の方が内陸の福知山盆地より雨や雪が降りやすい。冬場の季節風は北西の風であり、海沿いでも宮津や舞鶴は丹後半島を通ってくるので内陸に近い。「京都府北部」としての予報が曇りでも、北西向きの海岸線や山間部では降って当たり前。「所により雨」などという文言がつけば、さらに降ることは確実となる。
 季節風があまりにも強いと、沿岸部を通り越し、いくつもの山を越えて雨雲(雪雲)が内陸部に侵入し、めったに雪が積もらない中央分水界の向こう側に大雪を降らせることがある。ある程度想定することもいいが、想定外のことも起こる。いろいろあるから面白いのだ。
 また、降ったりやんだり日が差したりするので虹もよく発生する。
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 さあ、今週は雪の予報が出ているが、本当に降ってくれるのだろうか。兵庫県北部のスキー場は、大晦日くらいに何ヶ所か天然雪でオープンしたが、正月の暖かさでまた人口雪のあるところのみ営業している状態だ。
 自転車に乗れなくなるのは残念だが、冬にはスキーをしたい。

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